MAPAが農畜産物需給の長期予測を発表(ブラジル)
ブラジル農務省(MAPA)は8月6日、農畜産物需給の長期予測を発表した。同予測は、国家食糧供給公社(CONAB)、国家統計院(IBGE)、農牧研究公社(EMBRAPA)、米国農務省(USDA)などの関係機関と連携して、品目別に向こう10年間を見通すもので、毎年7〜8月頃に発表される。
大豆については、今回報告された作物の中で、作付面積の増加率が最も大きく、生産量と輸出量の大幅な増加が見込まれた。特に、マトピバ地域(注)については、現在最大生産州であるマットグロッソ州と比較して、土地の価格が半分以下であることから、さらなる作付面積の拡大が期待されている。トウモロコシについては、大豆同様増産が見込まれているが、作付面積の増加見込みが6.8%に留まったことから、昨年発表された長期予測における10年後(26/27年度)の生産量を560万トン下回る1億1320万トンと見込まれている(表1)。
注:北部4州(マラニョン州、トカンチンス州、ピアウイ州、バイーア州)の州境付近に広がっている新興農業地域。
また、牛肉、豚肉、鶏肉についても、飼料穀物の増産による大幅な増産が予測され、輸出量も、鶏肉を中心にそれぞれ10年間で30%以上増加するとみられている(表2)。国別輸出先を見ると、全ての品目において、中国向けの輸出拡大が期待されている。その他の国および地域では、牛肉ではアフリカ地域、豚肉ではメキシコ、鶏肉ではサウジアラビアやアラブ首長国連邦への輸出拡大の可能性について言及されている。
【佐藤 宏樹 平成30年8月17日発】
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