欧州では北部を中心とした熱波の影響により、多くの農家が干ばつの被害を受けている。ばれいしょも例外ではなく、でん粉用ばれいしょを含めて、歴史的に見ても深刻な不作となっており、
圃場によっては全滅、そうでなくても生産量は激しく落ち込んでいる。 このため、ヨーロッパ全体のばれいしょ生産は歴史的にみても非常に少ないレベルにあり、生産者、加工業者、実需者のいずれにとっても困難な状況にある。
さらに、2019年の生産に向けられる種芋についても、同じく干ばつの影響によって収量や品質が落ち込んでいることから、既に価格が高騰している。今回の干ばつは、来年の生産にも影響を与える可能性がある。
国内に7工場を持つドイツ最大のばれいしょでん粉生産企業であるEmsland Groupは、まさに今年のばれいしょでん粉生産を開始する時期にあるが、原料のばれいしょの供給不足に直面しているという。
このため、同社は来年以降の原料用ばれいしょを確保するため、契約しているばれいしょ生産者向けに運転資金に対する支援を行うこととしている。
【岡 千晴 平成30年9月6日発】