現地報道によると、キャッサバおよびタピオカでん粉の主要生産地かつ輸出国であるベトナムのタピオカでん粉の輸出価格が、6月に1トン当たり530〜535ドルと過去最高水準となった。しかし、ベトナムの輸出業者の多くは、競合するタイ産キャッサバでん粉が同470〜480ドル程度であることから、7月にはベトナム産の価格を同500ドルまで下げることとした。
ベトナムのタピオカでん粉輸出価格が高騰した背景としては、(1)2015〜2016年のキャッサバ価格が1キログラム当たり1200ドンまで下落したためキャッサバの作付面積が減少したこと、(2)キャッサバの主産地でサトウキビの栽培が奨励されたためサトウキビへの転作によってキャッサバの作付面積が減少したこと、(3)モザイク病などの影響を受けたこと、などにより、キャッサバ生産量が大幅に落ち込んだことが挙げられる。これにより、現在、キャッサバ価格は同2500〜2700ドンまで上昇している。また、タピオカでん粉の工場は原料が不足しており、キャッサバが工面できたときに限って工場を稼働させている状況にある。
なお、ベトナムキャッサバ協会によると、ベトナム産タピオカでん粉輸出量の8割超を占め主要な輸出先である中国からの引き合いが弱まっていることから、8月以降、価格は下がるものと見ている。
参考:1ドン=約0.005円
【岡 千晴 平成30年9月14日発】