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香港企業がタピオカでん粉工場などへ3年間で1億5000万ドルの出資を発表(カンボジア)

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最終更新日:2018年9月20日

 現地報道によると、香港に本社を置くGreen Leader社が、カンボジアクラチエ州のタピオカでん粉工場の建設など、カンボジアのキャッサバ産業に対して3年間で1億5000万ドルの投資を行うと発表した。

 同社の出資により建設された国内最大級の年間15万トンのでん粉(化工でん粉含む)の製造能力がある同州スヌオル市の1カ所目の工場はすでに稼働しており、間もなく2カ所目の建設が開始される。今後3年間に工場を5カ所まで増やし、将来的に年間300万トンの原料を加工できるようにする計画である。なお、今年度、同州では4月に作付けが始まり、年末までに約60万トンのキャッサバを原料にでん粉製造が行われる予定である。

 カンボジアでは、キャッサバは国内で第2位の生産量を誇る主要農産物で年間1400万トン生産される。しかし、国内の7工場ででん粉に加工される量は一部で、多くは原料のまま隣国のタイやベトナムへ輸出され、そこででん粉に加工されている。このように未加工のキャッサバ輸出に依存しているため、カンボジアの生産者は、国外のキャッサバ価格の変動に翻弄されやすい。

 そこで、国内で最新鋭のでん粉工場を整備し、Green Leader社は潤沢なカンボジア産原料を用いてでん粉や化工でん粉を製造、付加価値を付けた上で、他のアジアの国々や欧州へタピオカでん粉を輸出することによって、国内外のタピオカでん粉の供給量の確保やでん粉価格の安定につなげるという。これが実現すれば、カンボジアの生産者の収入が安定することに加えて、同社にとっても利益が生まれる状況になる。また、同社は国連開発計画(UNDP)やカンボジア農林水産省・商務省の進める最低買取価格を保証し生産者と契約を交わす政策に賛同し、官民連携した計画を進めるという。

 ただし、過去に他の中国系企業がカンボジアのでん粉工場への投資を発表したものの、計画倒れのケースが散見されることからも、今後の同社の動きを注視する必要がある。
参考図
【岡 千晴 平成30年9月20日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:調査情報部)
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