アルゼンチンを始めとした南米各国では、生乳、砂糖、グルコースなどで作られた半液状のミルクキャラメルである「ドゥルセデレチェ」が多く食されている。アルゼンチンの年間1人当たりドゥルセデレチェ消費量は、日本人のチーズ消費量の約1.2倍に当たる約3キログラムとなっている。そのような南米の国民食ともいえるドゥルセデレチェの日本向け輸出が、この度本格的に行われる可能性が浮上した。
現地報道によると、アルゼンチンの大手乳業メーカーが、8月初旬に日本向けのドゥルセデレチェの輸出を行ったと発表した。同社は、監査が厳しいとされるEU向けの、アルゼンチン唯一のドゥルセデレチェ輸出企業であり、南米各国や米国、フィリピンなどに輸出している。同社の輸出担当者は、「今回の輸出は、流通面やマーケットの動きを確認するためのもので、数量はあまり問題ではない。日本の需要は大きく、ポテンシャルに可能性を感じている」と、今後の輸出拡大にも意欲を示した。
輸出量は、1ダースのビンが入っている箱が105箱×3パレットで、合計1701キログラムとされている。また、主な販売先は東京、横浜、大阪、神戸などのスーパーマーケットを見込んでいるという。
アルゼンチンは、世界第10位の生乳生産国で、生乳生産量の約75%が乳製品に仕向けられ、そのうち20%程度が輸出される。ドゥルセデレチェは、アルゼンチン最大の乳業メーカーを始め、多くの企業で生産および輸出が行われており、アルゼンチン全体の輸出量は、2017年は3359トンで、チリ、ブラジル、パラグアイなどの南米や、米国など北米に多く輸出されている。