ブラジル農牧食糧供給省(MAPA)は10月8日、同国で10年ぶりに豚コレラの発生が確認されたことを国際獣疫事務局(OIE)に報告した。
MAPAの報告によると、今回発生が確認されたのは、ブラジル北東部に位置するセアラー州のフォルキーリャ市にある家族経営の養豚場で、豚の出血性疾病のサーベイランスの枠組みにより検出された。130頭の豚のうち、115頭で発症し、うち112頭が死亡した。残り3頭も殺処分し、周辺地域や関連施設を調査中である。
セアラー州は、豚コレラ清浄地域ではなく、発生農場は清浄地域との境界から500キロメートル以上離れており、清浄地域と非清浄地域間での動物及びその副産物の移動を制限するなど、迅速に封じ込めを行っているとしている。
ブラジル動物性タンパク質協会(ABPA)は、ブラジルの豚肉生産の約95%は、主産地であるサンタカタリーナ州を中心とした南部や南東部、中西部マットグロッソ州など豚コレラ清浄地域で行われており、セアラー州を含む北東部地域の生産量は非常に少ない(全国の1%未満)としている。また、今回発生があったセアラー州と主産地とは、約3500キロメートル離れている上、豚の流通チェーンが存在しないため、拡大のリスクはないと強調した(図1)。
なお、ブラジルから日本への豚肉輸出は、サンタカタリーナ州のみから認められている。