2018/19年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第1回)を公表(ブラジル)
ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は10月11日、2018/19年度(10月〜翌9月)第1回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した。当該調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)と、秋植えの冬期作物(第2期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。
これによると、主要穀物の作付面積は前年度をわずかに、生産量はやや上回ると見込まれた(表1)。
トウモロコシの生産量を見ると、第1期作では作付面積は主要生産地であるミナスジェライス州を中心に前年度を上回るものの、単収が減少する見込みであることから、生産量は前年度並みの予測となっている(図)。第2期作では、単収の増加が見込まれているものの、播種がまだ行われていないことから、今後の数値の変動が見込まれる。また、大豆については現時点では前年度から大きな変化は見られない予測となった。
トウモロコシ生産は国内外の需要に期待
第1期作は前年から横ばいの予測
第1期作トウモロコシの生産量は、前年度比3.0%減〜2.0%増の2599万9800〜2735万100トンと見込まれている(表2)。
主要生産州(上位5州)のうち、ミナスジェライス州では、良好な国内価格を背景に、パラナ州では、他国からの強い引き合いから輸出向けとして主に輸出港に近い生産地域で、作付面積の増加がみられていると報告されている。また、リオグランデドスル州では、冬場の気温低下により、害虫の発生が前年度より少なかったこともあり、単収の増加が見込まれており、生産量は前年度比5.5〜11.8%増と予測されている。
第2期作生産量、単収の回復により増加見込みも、不透明
今回の報告では、まだ作付面積の予測は行われておらず、前年度並みに仮置きされているものの、単収が前年度を大きく上回ると見込まれていることから、生産量は前年度比18.1%増の6373万4500トンと予測されている。今後、春植えの夏期作物(大豆・トウモロコシ)の生産状況を受け、徐々に見通しが判明していく。
マトピバ地域の生産は前々年度並みの予測
北東部に位置する新興農業開発地域のマトピバ地域におけるトウモロコシ生産量は、前年度比6.9〜4.1%減の598万8300〜616万9900トンと見込まれている(表4)。前年度に不作だったトカンチンス州は前年度を大きく上回る予測となり、逆に前年度豊作だったバイーア州は、前年度を大きく下回る見込みとなった。マトピバ地域では、播種がまだ進んでいないとされており、次回以降の予測で数値が大きく変動する可能性がある。
大豆の生産量は過去最高だった前年度と大きく変わらない予測
大豆生産量は、良好な気候により記録的な豊作であった前年度と大きな変化はなく、前年度比1.9%減〜0.1%増の1億1704万9700〜1億1942万7500トンと見込まれている(表5)。
主産地であるマットグロッソ州では、前年度は降雨不足により播種が遅れたが、今年度は9月末から10月初旬にかけて良好な降雨に恵まれたことから、播種が順調に進んでいると報告されている。
マトピバ地域では作付意欲が増大
マトピバ地域の大豆生産量は、前年度比9.8〜7.2%減の1347万7300〜1386万5100トンと見込まれている(表6)。同地域のこの時期の天候は過去3年間で最も良好であると報告されており、作付意欲が高まっていると報告されている。一方、単収に関しては、前年度が4州全てで豊作だったことから、今年度の予測は前々年度並みに据え置かれており、播種が進むにつれ数値に変化が見られると思われる。
【佐藤 宏樹 平成30年10月16日発】
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