ブラジル国家食糧供給公社によると、2018/19年度の大豆生産も、前年度に引き続き豊作が見込まれており、現在、良好な天候を背景に、過去最高ペースで播種が行われているとされている。
主産地である中西部を中心に順調に播種が行われており、ブラジル全国で34%(10月23日集計時点)終了しているとされ、これは昨年同時期の20%、過去5年平均の18%を大きく上回るペースとなっている。今後も、全国的に定期的な降雨が見込まれていることから、1週間に14%のペースで播種が行われると予測されており、今後の動向が注目される。
州別に見ると、最大の生産州であるマットグロッソ州では、昨年の26%、過去5年平均の27%を大きく上回る62%で播種が終了している。また、南部パラナ州では48%、中西部マットグロッソドスル州では35%と、主産地を中心に播種が終了している。
現地コンサルタントによると、早期の播種が、生産量の大幅な増加に直接つながるわけではないが、生育期に夏場の高温乾燥を避けることが出来ることから、農薬使用量を減少させることが可能になることに加え、大豆の裏作である第2期作トウモロコシの早期播種につながるため、間接的な効果は大きいとしている。
この状況について、現地関係者によると、昨今の米中貿易摩擦を受け、中国からブラジル産大豆への引き合いが強まっており、早急に販売を進めたいという農家の思惑があるのではないかとしている。