大豆消費量削減につながる新たな飼料規格を発表(中国)
中国飼料工業協会は、10月26日、「子豚、肥育豚配合飼料」と「採卵鶏、肉用鶏配合飼料」に関する新たな規格(注)を公表した。規格の見直しは2008年以来である。
協会によると、新たな規格では、豚・鶏の生産性を維持しつつ、配合飼料中のタンパク質含有率が豚で1.5%、鶏で1%引き下げられている。この規格に沿って生産された飼料を使うことで、中国国内の年間の大豆油かすの消費量は1100万トン(大豆に換算すると1400万トン)減少すると見込まれている。
発表に際し、飼料業界最大手の新希望六和など大手飼料会社29社が新たな規格を採用する旨の宣言を行っている。
注:配合飼料が含有すべき養分量などについて示したもの。
中国の大豆輸入量は近年急増しており、2017年は、対前年比15%増の9554万トンだった(図)。このうち、米国産は3285万トンで34%を占める。
中国海関税総局によると、2018年の1月〜9月の大豆輸入量は対前年比2%減の7001万トンであった。中国は、2018年7月6日から米国産大豆に対し25%の追加関税を課しているが、米国の大豆収穫時期は9月下旬〜11月上旬であるため本格的に追加関税の影響が現れるのは、11月以降とみられる。なお、例年、7〜10月は、米国からの大豆輸入が少なく、2017年の同期間の輸入量は、年間輸入量の9%であった。
【三原 亙 平成30年11月2日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:三原 亙)
Tel:03-3583-9534