2018/19年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第2回)を公表(ブラジル)
ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は11月8日、2018/19年度(10月〜翌9月)第2回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した。当該調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)と、秋植えの冬期作物(第2期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。
これによると、主要穀物の作付面積は前年度をわずかに、生産量はやや上回ると見込まれた(表1)。
トウモロコシの生産量を見ると、第1期作では作付面積は主要生産地であるミナスジェライス州を中心に前年度を上回るものの、単収が減少する見込みであることから、生産量は前年度並みの予測となっている(図)。第2期作では、単収の増加が見込まれているものの、播種がまだ行われていないことから、今後の数値の変動が見込まれる。また、大豆については前年度をわずかに下回る予測となった。
トウモロコシ生産は国内外の需要に期待
第1期作は前年から横ばいの予測
第1期作トウモロコシの生産量は、前年度比2.0%減〜1.5%増の2628万3600〜2721万5900トンと見込まれている(表2)。
主要生産州(上位5州)のうち、パラナ州では、良好な価格を背景に、作付面積の増加が見込まれており、生産量も前年度比4.7〜5.3%増と予測されている。一方、サンパウロ州では、価格の変動幅が大きいことに加え、在庫が豊富であることから作付意欲が減退しており、生産量は同5.3〜2.3%減と見込まれている。
第2期作生産量、単収の回復により増加見込みも、不透明
今回の報告では、まだ作付面積の予測は行われておらず、前年度並みに仮置きされているものの、単収が前年度を大きく上回ると見込まれていることから、生産量は前年度比18.1%増の6373万4500トンと予測されている。今後、春植えの夏期作物(大豆・トウモロコシ)の生産状況を受け、徐々に見通しが判明していく。
マトピバ地域の生産は前々年度並みの予測
北東部に位置する新興農業開発地域のマトピバ地域におけるトウモロコシ生産量は、前年度比4.5〜2.1%減の614万3000〜630万2600トンと見込まれている(表4)。特に、マトピバ地域最大の生産州であるバイーア州では、降雨量の減少が見込まれ、単収も下落が予測されていることから、生産量は前年度を4.5〜2.1%下回るとされている。
大豆の生産量は過去最高だった前年度と大きく変わらない予測
大豆生産量は、良好な気候により記録的な豊作であった前年度と大きな変化はなく、前年度比2.1%〜0.0%減の1億1677万700〜1億1926万6700トンと見込まれている(表5)。
今年度の大豆播種は記録的なペースで進んでいるとされており、主産地であるマットグロッソ州では、10月末日時点で全体の81.2%で播種が終了しており、これは前年度の40.5%を大きく上回る結果となっている。
マトピバ地域では作付意欲が増大
マトピバ地域の大豆生産量は、前年度比10.0〜7.8%減の1344万3700〜1377万3500トンと見込まれている(表6)。トカンチンス州では、政府が中心となって作付面積の拡大を後押ししていることから、今後の生産量の上方修正が期待されている。なお、単収に関しては、前年度が4州全てで豊作だったことから、今年度の予測は前々年度並みに据え置かれており、播種が進むにつれ数値に変化が見られると思われる。
【佐藤 宏樹 平成30年11月14日発】
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