ブラジル動物性タンパク質協会(ABPA)は12月13日、2018年と2019年の鶏肉と豚肉の生産・輸出見通しを発表した。
これによると、2018年の生産量について、鶏肉は、ふ化羽数が前年を下回って推移したことに加え、飼料価格の高騰による生産コスト増の影響を受け、前年比1.7%減の1282万トンと見込まれている。豚肉も同様に、生産コスト増などの影響で同3.2%減の363万トンとなり、鶏肉、豚肉いずれも7月の見込みから下方修正された。
輸出量について、鶏肉は、(1)5月に発生したトラック運転手のストライキの影響で、船積み遅れや、出荷遅れ等による鶏肉のサイズのばらつきなどが発生したこと、(2)サウジアラビア向けが、新たなハラル認証制度の影響で一部パッカーからの輸出が制限されたことなどにより、同5.1%減の410万トンと見込まれている。豚肉は、主要輸出先国であったロシア向けが昨年12月以降、約11カ月にわたって全面停止となっていた影響で、同8.0%減の64万トンと、いずれも前年を下回る見込みとなっている(注)。
(注)ABPA独自の試算であり、表1、2から推測される年間輸出量とは乖離(かいり)がある。
両畜種共に生産量および輸出量は減少したが、鶏肉に関しては、11月にメキシコ向け鶏肉輸出認定施設が26カ所追加され、豚肉に関しては、(1)韓国やインドなど新しい市場の開拓、(2)ロシア向け輸出が再開、(3)アフリカ豚コレラ発生による中国からの需要増など、共に輸出増加に向けて明るい兆しが見え始めている。
これらを踏まえ、2019年の鶏肉と豚肉の生産量について、ABPAは、鶏肉は前年比1.39%増の1320万トン、豚肉については具体的な数値は挙げていなかったものの、中国やロシアからの旺盛な需要を背景に、増加見込みとしている。