12月から1月にかけて、ブラジルの主要大豆生産地では、例年一定の降雨が観測されるが、今年度は多くの地域で干ばつに襲われている。特に、マットグロッソドスル州とパラナ州での被害が大きく、一部地域で30〜40日間にわたって降雨が記録されないなど、深刻な干ばつに襲われた。
これを受け、両州の大豆生産者協会は、2018〜19年度(10月〜翌9月)の生産量を、最悪の場合、マットグロッソドスル州では、当初予測されていた約1000万トンから11%、パラナ州では約2000万トンから30〜35%の減少を見込んでいる一方、今後の天候次第では回復の可能性もあるとしている。
両州に共通しているのが、今年度の大豆播種が記録的なスピードで行われたことである。パラナ州では、9月10日の大豆播種解禁から急速に播種が進んだことで、今回の干ばつが生育期と完全に重なる結果となった。加えて同州では、多くの生産者が同時期に播種を行ったことから、リスク分散がなされず、今回の深刻な被害につながった。
現地報道によると、1月16日現在、パラナ州では収穫が約6%進んでいるとされ、その単収は大幅な減少が見込まれるとされている一方、被害の詳細はまだ予測出来ないとしている。1月10日にブラジル国家食糧供給公社(CONAB)が公表したデータでは、パラナ州は前年度並み、マットグロッソドスル州は前年度比6.1%減に留まったものの、現地関係者によると、想定されていたよりも減少幅が小さかったことから、次回報告(2月12日)では、さらなる減少が見込まれるとしている(表)。