サウジアラビアがブラジルの鶏肉輸出認定施設を一部取り消し(ブラジル)
ブラジル農牧食糧供給省(MAPA)は1月22日、サウジアラビア政府から、現時点でサウジアラビア側が改めて認定した輸出施設リスト(25施設)を受け取ったと発表した(表1)。これまでは58施設が輸出認定を受けていたことから、33施設がリストから除外されることとなった。MAPAによると、輸出施設として認められた25施設は、2018年におけるサウジアラビア向け輸出量全体の63%を占めたとしている。
これを受け、ブラジル動物性タンパク質協会(ABPA)のプレスリリースによると、今回除外された33施設のうち、サウジアラビアへ積極的に輸出を行っていたのは5施設であるとしている。また、今回の除外は技術的な問題に起因しており、除外対象となった輸出施設は現在是正に向けて動いていることから、いずれ全ての施設が再度認定されるだろうと期待を示した。
一方、ブラジル全国紙の「フォーリャ・デ・サンパウロ」によると、この問題は、今年1月1日に就任したボルソナーロ大統領が在イスラエル大使館を現在のテルアビブからエルサレムへ移すことを示唆していることに起因しており、現在イスラム諸国への最大の食肉輸出元であるブラジルが、豪州やアルゼンチンといった競争相手を有利にしかねないと懸念している業界関係者もいる。
2018年のサウジアラビア向け鶏肉輸出量は、前年比17.4%減となったものの、依然としてブラジルにとって最大の輸出先国であることに変わりはない(表2)。今般の影響が2019年の輸出量にどのような影響を及ぼすのか、注目が高まっている。
【佐藤 宏樹 平成31年1月23日発】
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