農林水産省がウルグアイの牛肉輸出施設を認定、対日輸出開始へ(ウルグアイ)
農林水産省は2月7日、16カ所のウルグアイの牛肉輸出施設を対日輸出施設として認定し、官報に掲載した。2018年3月22日に政府間合意、11月27日に衛生条件の締結に至っていたが、今回の施設認定を受け、正式に対日輸出が開始されることになった。
今回輸出認定された施設は表1の通りである。ブラジル大手牛肉輸出企業であるMarfrig社、Minerva社及びJBS社やウルグアイ国内資本の企業に加え、日本企業が資本であり、ウルグアイ最大のパッカーであるBREEDER&PACKERS URUGUAYも認定された。
今回の輸出施設認定を受け、関係者に取材したところ、「ハラミやサガリなど、カット面や価格面で他国と大きな差がない部分から始めていく」との声がある一方、「ウルグアイ牛肉の特徴の牧草肥育で赤身肉であることを活かしたプロモーションを行いつつ、ロイン系アイテムなどの高級部位を販売していきたい」と話す者も見られた。
また、昨年解禁された、隣国のアルゼンチンと牛肉の対日輸出面で比較すると、アルゼンチン産(対日輸出が行われるパタゴニア地域含む)が主に穀物肥育であるのに対し、ウルグアイは牧草肥育で、輸出単価もパタゴニア地域産と比較してウルグアイの方が3分の2程度安いとされていることなどから、両国は競合しない可能性が高い。
なお、2018年のウルグアイにおける牛肉輸出量は、前年比5.4%増の32万750トンとなった。旺盛な需要を誇る中国が順調に輸出量を伸ばしたことに加え、ロシアが、主要輸入元だったブラジルからの輸入を、衛生上の問題で、2017年12月から2018年10月まで停止していたことによる代替としてウルグアイ産の需要が高まったことから、同183.2%増と記録的な伸びとなった(表2)。
今後、ウルグアイ食肉協会(INAC)を中心に、対日輸出プロモーションが進んでいくとみられており、3月5〜8日開催の国際食品・飲料展(FOODEX)にも、INACを始め複数のパッカーの出展が予定されている。今後の同国の対日輸出に注目が高まっている。
【佐藤 宏樹 平成31年2月7日発】
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