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中国向け輸出の落ち込みで苦境に陥るベトナムのキャッサバ産業(ベトナム)

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最終更新日:2019年2月19日

 2018年のベトナムのキャッサバ輸出量は、前年比38%減の240万トン、輸出額は同7%減の9億5870万ドルとなった。これは、同国のキャッサバ輸出の9割を占める中国向けが落ち込んでいることが原因である。
 
 中国国内では、(1)輸入キャッサバと競合関係にあるトウモロコシの供給量が増えたことからトウモロコシ価格が下落し、キャッサバ需要が落ち込んでいること、(2)ベトナム産と競合関係にあるタイ産キャッサバの輸入量が増加していること、(3)ベトナムドンに対して中国元安が進んだこと、によってベトナム産キャッサバ輸入に不利な環境が形成されている。
 
 ベトナム国内では、輸出の不振から供給過剰となったキャッサバの価格は、2018年末に1トン当たり270〜300万ドンだったものから、現在は同260〜280万ドンと下落した。また、でん粉などの製造業社の多くは、運転資金が不足し、キャッサバの在庫が積み上がっているという。ベトナムキャッサバ協会によると、この状況がさらに1カ月続くようであれば、多くの製造業社が破産し、生産者や産業全体へ大きな影響をもたらすことになるという。
 
 同協会によると、120の製造者(零細企業を除く)のうち半分は中国が求める衛生および安全基準を満たしていない。ベトナム国内では、中国のパートナーとともに中国市場向けの商品を製造・輸出する動きもある一方、ベトナムのキャッサバ産業は中国市場へ依存した輸出を行うよりも、ベトナム国内の省間など横の連携を強め、国際的な水準の品質の製品を大規模に輸出できる環境をすぐにでも整える必要があるという声が複数の関係者から上がっている。
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【岡 千晴 平成31年2月19日発】
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