デンマーク統計局は、四半期に一度、豚の飼養頭数を公表している。
同局によると、デンマークの2019年1月1日時点(第1四半期)での豚飼養頭数は、前年を1.5%下回る1264万頭となった。豚飼養頭数が前年を下回るのは、7四半期ぶりとなった。
デンマークの豚飼養頭数は、2017年の第3四半期以降、拡大傾向にあったものの、前年比増加率は2018年の第一四半期(同4.5%増)をピークに、第2四半期(同4.1%増)、第3四半期(同3.3%増)、第4四半期(同2.3%増)と、拡大ペースが減速していた。
EUの豚枝肉卸売価格は、2017年9月以降、前年同月を下回る水準で推移しており、飼養頭数の増加ペースの減速は、同価格の低迷が理由と考えられる。価格低迷の中、飼養頭数を拡大させてきたデンマークであったが、2019年第1四半期、ついに、減少に転じた。
繁殖部門と肥育部門の内訳をみると、繁殖部門については、繁殖豚全体では前年比1.3%減の126万頭となっている。また、妊娠母豚は同1.4%減、、繁殖仕向け雌豚は同0.9%減となった。
肥育部門については、肥育豚は同3.4%減の290万頭、離乳子豚は同0.9%減の591万頭、初生子豚は同0.8%減の258万頭となった。
なお、初生子豚の減少率(同0.8%減)は、授乳中の母豚の減少率(同0.9%)をわずかだが上回っていることから、生産性の向上は図られていることが見受けられる。
また、デンマークは、子豚の輸出が盛んで、ドイツとポーランドを中心にEU各国へ子豚を輸出しているが、肥育豚の減少率が大きいのは、2018年(1〜11月)のポーランドへの子豚(50kg未満)の輸出頭数が前年比1割増(59万頭増)となったことによるものとみられる。