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穀物の生産見通しを発表(豪州)

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 豪州農業資源経済科学局(ABARES)は2月18日、2018/19年度(7月〜翌6月)夏作物および冬作物の生産予測の見直しを行った(注)

(注)豪州の夏作物は、10月〜翌年1月に播種、3月〜6月に収穫を行う。冬作物は、3月〜6月に播種、10月〜翌年1月に収穫を行う。また、本発表の段階では、2018/19年度夏作物の播種が概ね終了しており、2018/19年度冬作物の収穫が概ね終了している(図)。
 
 

【夏作物】生産量、干ばつにより大幅減

 夏作物については、作付面積は、103万4000ヘクタール(前年度比22.5%減)と、前回から6万4000ヘクタール下方修正された。主産地であるクイーンズランド(QLD)州およびニューサウスウェールズ(NSW)州で発生している干ばつにより、ダムの貯水率が減少していることから、かんがいを利用する綿実および米を中心に大幅な減少を見込んでいる。生産量は、作付面積の大幅な減少に加え、干ばつにより単収もかなり減少することから、274万3000トン(同33.1%減)と大幅な減少を見込んでいる(表1)。
 品目別作付面積第1位のソルガムについては、前回予測(2018年12月)では、作付面積および生産量ともに増加を見込んでいたものの、乾燥した天候が継続しており、今後の天候見通しもよくないことなどから、前回から下方修正され、作付面積は53万7000ヘクタール(同1.1%増)とわずかな増加にとどまり、生産量は130万3000トン(同9.5%減)とかなり減少すると見込んでいる。
 品目別作付面積で第2位の綿実については、干ばつによりダムの貯水率が大幅に低下していることから、かんがいを利用する地域の作付面積が大幅に減少するため、綿実全体の作付面積は28万ヘクタール(同44.0%減)と半分近く減少し、生産量は82万1000トン(同41.9%減)と大幅な減少を見込んでいる。
 
 

【冬作物】生産量、西オーストラリア州の豊作により上方修正も大幅減

 冬作物については、作付面積は、干ばつにより東部を中心に減少するため、1819万8000ヘクタール(前年度比17.7%減)と大幅な減少を見込んでいるものの、西オーストラリア(WA)州での良好な降雨を受けた増加見込みから、前回から46万4000ヘクタール上方修正された。また、生産量は、前回から113万8000トン上方修正されたものの、3040万6000トン(同19.9%減)と、引き続き大幅な減少を見込んでいる(表2)。
 主要品目別に見ると、冬作物で最も生産の多い小麦の生産量は、1729万8000トン(同18.6%減)と大幅な減少を見込んでいる。最大の生産地であるWA州は、1015万トン(同27.8%増)と大幅に増加するものの、干ばつの影響が大きいNSW州(180万トン、同60.0%減)やビクトリア(VIC)州(195万トン、同51.3%減)では、前年度の半分以下まで減少すると見込んでいる。
 大麦の生産量は、831万トン(同6.9%減)とかなりの減少を見込んでいるものの、取引価格の上昇に伴い収益性がよいことから、主産地であるWA州および南オーストラリア(SA)州で作付面積が増加することで、小麦に比べて減少幅は少なくなると見込んでいる。
 
 
 地域別にみると、最大の生産地であるWA州は、前回予測では、2018年9月までの降雨不足や霜の発生により生産への影響が心配されていたものの、その後の良好な降雨により、生産量は、1771万2000トン(同21.2%増)と大幅に増加し、統計開始以降2番目の豊作を見込んでいる。一方、その他の州はいずれも干ばつにより大幅な減少を見込んでおり、WA州とその他の州で大きなギャップが生じている(表3)。
 
 
【大塚 健太郎 平成31年2月20日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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