2018/19年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第5回)を公表(ブラジル)
ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は2月12日、2018/19年度(10月〜翌9月)第5回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した。当該調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)と、秋植えの冬期作物(第2期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。
これによると、主要穀物の作付面積は前年度をわずかに、生産量はやや上回ると見込まれた(表1)。
トウモロコシの生産量を見ると、第1期作では、主産地であるリオグランデドスル州を中心に単収が回復する一方、ミナスジェライス州などでは、干ばつによる単収減の影響が大きかったことから、前年度をわずかに下回る見込みとなった(図1)。第2期作では、単収の回復による生産増が見込まれている。また、大豆については、パラナ州やマットグロッソドスル州を中心に、干ばつの影響で単収減が見込まれることから、前回報告から下方修正され、前年度をやや下回る見込みとなった(図2)。
トウモロコシ生産は前年度を上回る見込み
第1期作は、リオグランデドスル州とミナスジェライス州で明暗分かれる
第1期作トウモロコシの生産量は、前年度比1.3%減の2645万4300トンと見込まれている(表2)。
主要生産州(上位5州)のうち、リオグランデドスル州では、収穫直前の1月に定期的な降雨が観測されたことから、生産量は前回報告から1.4ポイント上昇し、同18.1%増の570万1000トンと見込まれている一方。昨年度最大生産州であったミナスジェライス州では、大豆への作付けのシフトに加え、昨年末の干ばつの影響で単収の減少が見られていることから、生産量は同9.7%減の487万1200トンと予測されている。
第2期作生産量、単収の回復により増加見込み
今回の報告から、第2期作トウモロコシの具体的な生産予測が公表されており、生産量は、前年度比21.0%増の6519万8100トンを見込んでいる(表3)。ほぼ全ての生産州において、昨年の干ばつからの回復が見込まれていることから、単収の大きな改善が予測されている。特に、被害が大きかったとされているパラナ州、マットグロッソドスル州、サンパウロ州では、前年度比30%を超える増加率となっている。加えて、今年度は、大豆の作付けが記録的なペースで進んだことで、大豆の収穫が堅調に進み、第2期作トウモロコシの作付けも早まっていることから、生産回復にさらなる期待が高まっている。
バイーア州で降雨不足の影響が顕著に
北東部に位置する新興農業開発地域のマトピバ地域におけるトウモロコシ生産量は、前年度比7.6%減の594万3300トンと見込まれている(表4)。昨年度マトピバ地域最大の生産州であったバイーア州では、同州西部地域の小規模生産者の作付面積が減少したことに加え、降雨不足による単収の減少が見込まれることから、同28.1%減とされている一方、トカンチンス州では、主に第2期作において、単収が大幅に落ち込んだ前年度からの回復が見込まれていることから、同13.5%増となっている。
パラナ州を中心に干ばつの影響が表面化
大豆生産量は、前年度比3.3%減の1億1534万3700トンと見込まれている(表5)。今年度は、大豆播種が10月〜11月の春期間に定期的な降雨が見られたことで、記録的なペースで進んだ。しかしながら、12月以降、パラナ州やゴイアス州、マットグロッソドスル州などで、記録的な高温と干ばつが発生したことによる被害が大きく、特にパラナ州では、前回報告から9.9ポイント減の1727万8700トン(前年度比9.9%減)と見込まれている。
マトピバ地域ではトウモロコシ同様バイーア州での降雨不足が懸念
マトピバ地域の大豆生産量は、前年度比11.5%減の1322万8100トンと見込まれている(表6)。トカンチンス州では順調な作付けが進んでいるものの、マトピバ地域最大生産州のバイーア州では、第1期作トウモロコシ同様、降雨不足による単収の減少が見込まれていることから、生産量は前年度を大きく下回るとされている。
【佐藤 宏樹 平成31年2月25日発】
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