欧州連合(EU)の統計局(Eurostat)は2月15日、2018年通年のEU全体(加盟28カ国合計)および加盟国ごとのEU域外向け豚肉輸出量を発表した。
これによると、EU全体の日本向け輸出量は、前年から1万4000トン強増加し、前年比4.2%増の34万5380トンと3年連続の増加となった。同輸出量は、EU全体のEU域外向け輸出量の16.1%を占め、中国に次ぐ国別輸出量第2位である。
なお、EU全体のEU域外向け輸出量も、同2.2%増の213万9973トンとなり、EU域内での増産や、アジアおよびアフリカ地域での人口増加による需要の高まりなどを背景に増加している。
日本向けについて加盟国別にみると、スペインが前年から8500トン弱増加し、同7.8%増の11万7370トンとなった。これにより、長年にわたりEU最大の日本向け豚肉輸出国であったデンマークを上回り、初めてスペインがEU最大となった。同国の同輸出量は、5年前と比較すると3.5倍近くに増加しており、近年の増加が著しいことが分かる。一方、デンマークの2018年同輸出量は、前年比1.1%減の10万9618トン(5年前比5.3%減)と、近年、若干の減少傾向で推移している。
なお、EUの日本向け輸出量については、スペイン(シェア34.0%)、デンマーク(同31.7%)の2カ国のみでおよそ3分の2を占める。
今回の発表が裏付けるように、スペインの養豚産業の成長は、今まさに飛ぶ鳥を落とす勢いである(下記レポート参照)。同国では、養豚産業を基幹かつ成長産業とし、投資やインテグレーションなどが進展しており、生産基盤の拡大とともに豚肉処理場での加工技術などの向上が進み、日本向けのみならず世界各地への輸出を拡大している。同国の養豚関係者に今後の日本向け輸出についてインタビューをしたところ、2月1日に発効された日EU ・EPAによるさらなる輸出量の増加に期待しているとした。