豚肉卸売価格が上昇(中国)
中国で豚肉卸売価格が上昇している。
中国農業農村部によると、2019年3月第2週(3月11日の週)の豚肉卸売価格は、対前週比で7.3%上昇し、1キログラムあたり19.5元(330円、1元=16.91円)となった(図1)。
また、北京市、上海市、四川省成都市、河南省周口市の卸売市場の価格をみると、おおむね3月6日ごろから急速に上昇している(図2)。3月10日〜12日を境にその後は若干下落している。なお、北京市、上海市は大消費地、四川省は大生産地かつ大消費地、河南省は大生産地である。
例年、豚肉の卸売価格は、需要が高まる春節(旧正月、1月後半から2月)前後にピークとなり、その後下落して4〜5月に底を打って反転上昇する。春節の1か月後に価格が上昇するのは異例であり、豚肉供給に変調が起きている可能性がある(図3)。
中国では2018年8月にはじめてアフリカ豚コレラの発生が確認されてから今日まで発生が続いている。現地専門家の話では、多くの肥育農家が子豚の導入を控えていると言われており、これによる影響がいつ出始めるのかが注目されている。
なお、中国農業農村部が毎月発行している『中国農産物需給動向分析月報(2019年1月、主要農産物)』では、「これまでの子豚の移動制限によって生体豚供給量の減少が顕在化してくるため、総合的にみて、豚肉価格は全体的に下落し続けるものの、下落幅はそれほど大きくならず、4月5日の清明節(祝日)前後には価格が下げ止まって反騰する可能性もある」と見通している。
【三原 亙 平成31年3月15日発】
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