2018/19年度主要穀物の生産状況等の調査結果（第6回）を公表（ブラジル）

　ブラジル国家食糧供給公社（CONAB）は3月12日、2018/19年度（10月〜翌9月）第6回目（注）となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した。当該調査は、春植えの夏期作物（大豆、第1期作トウモロコシなど）と、秋植えの冬期作物（第2期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など）の生産予測を毎月公表するものである。
　これによると、主要穀物の作付面積および生産量はともに前年度をわずかに上回ると見込まれた（表1）。
　トウモロコシの生産量を見ると、第1期作では、主産地であるリオグランデドスル州を中心に単収が回復する一方、ミナスジェライス州などでは、干ばつによる単収減の影響が大きかったことから、前年度をわずかに下回る見込みとなった（図1）。第2期作では、単収の回復による生産増が見込まれている。また、大豆については、パラナ州やマットグロッソドスル州を中心に、干ばつの影響で単収減が見込まれることから、前回報告から下方修正され、前年度をやや下回る見込みとなった（図2）。

（注）今回は要約のみの公開となっていることから、州別の分析が一部省略されている。また、需給動向（参考1、2）については、掲載自体が省略されていたため、前回同様の数値を仮置きしている。

　第1期作トウモロコシの生産量は、前年度比2.2％減の2621万800トンと見込まれている（表2）。
　主要生産州（上位5州）のうち、リオグランデドスル州では、前回報告同様、同18.1％増の570万1000トンと好調な生産が見込まれている。一方、昨年度最大生産州であったミナスジェライス州では、大豆への作付けのシフトに加え、昨年末の干ばつの影響で単収の減少が見られていることから、生産量は同11.8％減の476万1700トンと予測されている。

　第2期作トウモロコシの生産量は、前回報告から2.6ポイント増加し、前年度比23.6％増の6659万6600トンを見込んでいる（表3）。ほぼ全ての生産州において、昨年の干ばつからの回復が見込まれていることから、単収の大きな改善が予測されている。特に、被害が大きかったとされているパラナ州、マットグロッソドスル州、サンパウロ州では、前年度比30％を超える増加率となっている。また、最大生産州であるマットグロッソ州では、マットグロッソ州農業経済研究所（IMEA）によると、同州の第2期作トウモロコシの播種は98.8％終了したとされており、その結果作付面積が前回報告から3.6ポイント増加したことから、生産量も前回報告から3.5ポイント増の2903万7800トンと見込まれている。

　北東部に位置する新興農業開発地域のマトピバ地域におけるトウモロコシ生産量は、前年度比7.4％減の595万8100トンと見込まれている（表4）。昨年度マトピバ地域最大の生産州であったバイーア州では、第1期作において同州西部地域の小規模生産者の作付面積が減少したことに加え、降雨不足による単収の減少が見込まれることから、同28.1％減とされている一方、トカンチンス州では、主に第2期作において、単収が大幅に落ち込んだ前年度からの回復が見込まれていることから、前回報告から6.0ポイント上方修正され、前年度比19.5％増となっている。

　大豆生産量は、前年度比4.9％減の1億1345万9100トンと見込まれている（表5）。今年度は、大豆播種が10月〜11月の春期間に定期的な降雨が見られたことで、記録的なペースで進んだ。しかしながら、12月以降、パラナ州やゴイアス州、マットグロッソドスル州などで、記録的な高温と干ばつが発生したことによる被害が大きく、特にパラナ州では、前回報告から5.9ポイント減の1614万5000トン（前年度比15.8％減）と見込まれている。

　マトピバ地域の大豆生産量は、前年度比11.3％減の1325万8300トンと見込まれている（表6）。トカンチンス州では順調な作付けが進んでいるものの、マトピバ地域最大生産州のバイーア州では、第1期作トウモロコシ同様、降雨不足による単収の減少が見込まれていることから、生産量は前年度を大きく下回るとされている。