2018年の生鮮野菜小売動向(米国)
米国生鮮青果物協会(United Fresh Produce Association)が2月25日に公表した「FreshFacts® on Retail」によると、2018年の全米の生鮮青果物小売実績は、販売額では前年をわずかに上回ったものの、販売量ではわずかに下回った。このうち販売額についてみると、608億1000万米ドルという生鮮青果物の販売額は、全生鮮品販売額の34%を占め、精肉に次ぐ水準であった。しかし、健康食品に対する消費者の需要の高まりにもかかわらず、生鮮青果物は他の品目より販売額の前年比増加幅が小さかった。
生鮮青果物を区分別にみると、野菜は販売額が290億1500万米ドル(前年比2.5%増)となり、販売量では825万9457トン(同0.6%減)となった(表1)。また、生鮮野菜の小売販売額の上位10品目をみると、2018年もパックドサラダ(注)が第1位の座を占めた(表2)。近年、パックドサラダの需要は、利便性や手軽さといった面に支えられて堅調に推移しているとみられる。
(注)レタス、ほうれんそうなどの葉物野菜が中心の袋詰めサラダ商品。
オーガニック部門が伸長
2018年のオーガニック生鮮青果物の小売販売額は56億米ドルとなり、前年を8.7%上回った。米国生鮮青果物協会によれば、米国の消費者はオーガニック生鮮青果物に従来の野菜よりも「健康的」、「美味しい」、あるいは「栄養価が高い」といった価値を見出しているとみられる。小売実績の内訳をみると、野菜は販売額が32億1900万米ドル(前年比7.1%増)、販売量は43万4541トン(同5.6%増)と、前年をかなりの程度上回った(表3)。また、同年のオーガニック生鮮青果物の小売動向を品目別に見ると、販売額が最も大きかったのはパックドサラダで、11億2600万米ドル(同5.3%増)であった(表4)。
写真 小売店で販売されるパックドサラダ(オーガニック)
【調査情報部 平成31年3月26日発】
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