欧州委員会は3月27日、欧州連合(EU)における児童生徒の健康的な食生活を支援するため、2019/2020年度(8月〜翌7月)の学校給食用果実・野菜・牛乳供給事業に2億5000万ユーロ(315億円)を措置し、各加盟国への配賦額を決定したと発表した。
本事業は、果実、野菜、牛乳・乳製品の供給だけでなく、児童生徒に対する農業への理解醸成、健康的な食生活の促進などの教育プログラムも策定され、予算額は、果実および野菜に総額1億4500万ユーロ(182億7000万円)、牛乳・乳製品に総額1億500万ユーロ(132億3000万円)となった。各加盟国は、供給する農産品や教育プログラムのテーマなどを含め事業の実施方法を決定するほか、EU予算である配賦額(下記一覧表を参照)に加えて、国独自の予算を追加することも可能である。供給される農産品は、環境に配慮して生産されたもの、季節性のあるもの、地元産であることなどが配慮される。
欧州委員会のフィル・ホーガン農業・農村開発担当欧州委員は、「同事業により、我々の若い世代は、欧州の農家が生産する、栄養が豊富で、安全で高品質な食料の生産地も学びながら、その恩恵を受けることができる」とし、「欧州委員会は、健康的な習慣を若いときに身に付けるという重要な教育過程に貢献できることを誇りに思う」とした。
欧州委員会は同日、2017/2018年度の同事業の報告書も併せて発表した。それによると、同年度の同事業には、約15万9000校が参加し、2000万人以上の児童生徒が対象となっている。また、EU予算の1億8200万ユーロ(229億3200万円)により、合計で25万5500トンの新鮮な果実と野菜、1億7800万リットルの牛乳がEUの児童生徒らに供給された。