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欧州委員会、若手農業者のための融資パッケージに10億ユーロ(1260億円)(EU)

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 欧州委員会は4月29日、欧州連合(EU)の農業者を対象とした10億ユーロ(1260億円)の融資パッケージを、欧州投資銀行(EIB:EUの政策金融機関)との共同で開始すると発表した。
 このプログラムは、特に若手農業者への資金提供の機会を増やすことを目的としており、加盟国レベルで銀行や融資会社によって実施される。参加する銀行等はEIBと同額を融資する必要があることから、融資額は総額で20億ユーロ(2510億円)となる見込みである。
 本プログラムは、以下のとおり現在農業者が直面している多くの問題に対応したものになるとしている。
・ 低金利(注)
・ 返済開始まで最長5年間の猶予
・ 返済期間の長期化(最長15年間)
・ 条件に応じて農業者が経営困難時にも返済できるよう、農業部門の価格変動に対応する柔軟性を追加(返済を止める数カ月間の猶予期間設定など)
 
 注:金利はそれぞれ条件などによって異なるが、アイルランドの業界紙によれば、同国では農業向け融資が通常4〜6%程度で設定されているものの、これにより約3%程度になるだろうとしている。
 
 本発表によると、2017年のEUにおける若手以外の農業者からの銀行への融資申請の9%が却下されているのとは対照的に、若手農業者については27%が却下されているという現状がある。
 欧州委員会のフィル・ホーガン農業・農村開発担当欧州委員は、「就農を志す若者にとって、資金へのアクセスは不可欠であり、多くの障害となってきた。11%を占める40歳未満のEU農業者への支援は、欧州委員会および2020年以降の共通農業政策(CAP)にとって優先事項であり、EIBとの共同の試みが立ち上がり、嬉しく思う」とコメントした。また、EIBのアンドリュー・マクダウェル副総裁は、「農業部門はEU経済を支えており、健全な食料の生産のみならず、気候変動対策や環境保全のために重要な役割を演じている。EIBは、本プログラムにより、農業分野の将来を見据え、重要である次世代農業者への資金調達を可能とするとともに、農村部などでの雇用の維持と創出により農業部門の成長と競争力強化を支援するものである」とコメントした。
 なお、本プログラムは、若手農業者の参入を促進する欧州委員会とEIBの「若手農業者構想(Young Farmers' initiative)」の一環として行われている。
【調査情報部 令和元年5月13日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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