2018年に起こった干ばつによって、オランダに本拠地を置き、ドイツにも製造拠点のある農業組合であり、ばれいしょでん粉製造大手のAvebe社の今期のでん粉原料用ばれいしょの処理量は例年よりも25%も少ないという。このような状況から、3カ所(オランダ1カ所、ドイツ2カ所)の製造拠点のでん粉製造を例年よりも早めに終了しており、現在、1カ所(Gasselternibeen〈オランダ〉)でのみの製造を続けている。 同社の今期のでん粉原料用ばれいしょ(でん粉含有量が19%の「標準」とされるもの)の買取価格は、すでに例年より高い水準の1トン当たり70ユーロ(8,820円〈注〉)とされていたが、5月はじめに同80ユーロ(10,080円)まで上方修正した。さらに品質の良いものに対して、同社は平均して同90ユーロ(11,340円)を支払っている。来期の買取価格は収益などを加味し、今年11月に公表される予定である。
(注)2019年4月末TTS相場の値であり、1ユーロ=126円で計算。
なお、EU産ばれいしょでん粉輸出(FOB)価格について、ここ数年間は1トン当たり600ユーロ(75,600円)前後で推移していたものの、2018年10月以降、右肩上がりで上昇しており、2019年2月には前年同月比27.0%高の同791ユーロ(99,666円)となった(図)。