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欧州委員会、米国との牛肉無関税割当枠について合意

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 欧州委員会は6月14日、ホルモンフリー牛肉(肥育ホルモン剤を投与していない牛由来の牛肉)の輸入に関する無関税割当枠(注)について米国と合意したと発表した。2018/19年度(7〜6月)で4万5000トンの無関税割当枠を、7年間をかけて段階的に米国へ最大3万5000トン割り当てる予定である。残り1万トンについては、豪州、ニュージーランド、アルゼンチン、ウルグアイなどの競合国に割り当てられる。
 
(注)南米では「481枠」、豪州では「グレインフェッド枠」と呼ばれている。
 
 欧州委員会のホーガン農業・農村開発担当欧州委員はプレスリリースの中で、「交渉は上手くまとまり、EUは主要な貿易相手国との重要な問題を解決することとなった。これにより、2018年7月の米国との首脳会談の合意内容に沿って、同国との関係が新たな段階に進むことを再確認した」とした。今後、EU議会での承認後、欧州理事会に対して同枠に関するEU規則481を改正する法案が提出される見込みとなっている。
 
 現地報道などによると、EUの中には、今回の合意によりEUの無関税割当枠の拡大やホルモン牛肉の輸入禁止策の緩和を引き起こされるのではという否定的な意見があるものの、ホーガン委員は今回の合意によって割当枠の数量および高いEU基準を満たす必要があるEU向け牛肉の安全性や品質は変わることがないことを明確にして否定した。
 また、アルゼンチンや豪州など米国の競合国らは、今回の合意内容は公平な貿易を行うための国際ルールに反するのではないかと疑問視しているものの、欧州委員会は世界貿易機関(WTO)規則の範囲内のものであると主張している。
 
 EUは2009年、米国との長期にわたるホルモン牛肉に関するWTO紛争の合意として、無関税割当枠を設立し、当初は米国産が無関税割当枠の大半を占めていたものの、報道によると、最近ではそのシェアは30%未満にまで縮小しているとも言われている。
 欧州委員会は2018年9月3日、同年7月25日の米国との首脳会談の共同声明で示していた通商関係強化の一環として、当該無関税割当枠の見直しを米国と協議するため、EU理事会に対し、交渉権限を付与するよう勧告し、EU理事会は同年末に欧州委員会に同権限を付与していた。
【調査情報部 令和元年6月24日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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