アルゼンチン工業生産・労働省農産業庁は6月24日、アルゼンチンから中国へ初めて冷蔵牛肉が輸出されたと発表した。6月1日に、両国間で、新たな衛生条件が締結されたことにより、今般の冷蔵牛肉(骨付きおよび骨なし)輸出が可能となった。また、同時に骨付き冷凍牛肉に関しても、輸出が可能になっている。
これを受け、ルイス・エチェベレ農産業国務大臣は、「アルゼンチン牛肉産業にとっても、また両国間の貿易にとっても、高級かつ需要の多い中国冷蔵牛肉市場に参入することは、非常に大きなチャンスである」と述べた。
アルゼンチンから中国への牛肉輸出はこれまで冷凍かつ骨なしに限られていたことから、今回の冷蔵牛肉輸出解禁により、高級部位の輸出拡大が期待されている。農産業庁のプレスリリースによると、南米最大級の牛肉パッカーのMinervaグループの傘下であるSwift Argentinaから、リブアイなどの高級部位が初めて輸出されたという。
アルゼンチンから中国への牛肉輸出は、2013年に解禁されて以降、順調に増加している(図)。特に、2018年は、中国国内の旺盛な需要を背景に、前年比113.8%増を記録し、2019年も、4月までの4カ月間で前年同期比92.8%増と、飛躍的に増加している(表)。これについて、アルゼンチン牛肉・牛肉副産物産業および取引会議所の代表であるミゲル氏は、当機構の聞き取りに対し、「今後は、すそもの中心だった中国からの引き合いが変化し、高級部位も多く仕向けられるようになるだろう」と、期待を込めて語った。