タイからの鶏肉輸入が増加(中国)
2019年1〜4月の中国の冷凍鶏肉輸入量は前年同期比44.1%増の21万1846トンとなった。特に2018年3月に解禁されたタイからの輸入が急増しており、1〜4月の輸入量は2万5083トンと、既に2018年の輸入量(1万6753トン)を超えている(表1)。
タイからの冷凍鶏肉の月別輸出量の推移をみると、2018年10月以降中国への輸出が増加していることがわかる(図1)。現地関係者によると、解禁以降、中国へ輸出されているのはほとんどが手羽ともみじ(鶏足)であったが、最近はもも肉も輸出されており、今後も輸出が増加するとされている。しかしながら、中国への輸出が許可されているタイの企業はわずか7社であり、急増する可能性は低いとの考えもある。
これら鶏肉需要の高まりは、2018年8月に発生したアフリカ豚コレラの影響で豚肉価格が上昇しているためであり、2019年5月時点の豚肉小売価格は、1キログラムあたり24.7元(398円、1元=16.1円)と前年同期より26.7%高い(図2)。
中国農業農村部によると、豚肉の代替として鶏肉や鶏卵が消費される傾向にあり、メーデー(5/1〜5/4)や端午節(6/7〜6/9)などの祝日による消費増加もあいまって、鶏肉・鶏卵価格も上昇傾向にある。2019年5月時点の小売価格をみると、鶏肉は1キログラムあたり20.5元(330円、1元=16.1円)で前年同月より11.4%高く、鶏卵は同10.0元(161円)で前年同月より9.1%高い(図2)。
また、5月の肉用鶏ひな価格は1羽あたり5.4元(87円、前年同月比88.8%高)、採卵鶏ひなは1羽あたり3.6元(58円、前年同月比10.6%高)となっており(図3)、特に肉用鶏ひなに対する需要が大きいと考えられる。
【寺西 梨衣 令和元年7月2日発】
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