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米国農務省による世界のトウモロコシ・大豆需給予測(2019年7月)

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2019/20年度の世界のトウモロコシ生産量、1.6%減の見込み

 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2019年7月11日、「Grain:World Markets and Trade」を公表し、世界のトウモロコシ需給予測値を更新した。
 先月の同レポートでは、主産地の天候不順から作付に遅れが生じている米国の生産量が大幅に下方修正された。今月の予測では、作付面積が上方修正されたことに伴い、米国の生産量は上方修正されたものの、依然として前年度を下回り、前年度比3.8%減の3億5244万トンとの予測となった。
 この結果、2019/20年度の世界のトウモロコシ生産量は、同1.6%減の11億514万トンと予測されている(表1)。
 輸出量は、アルゼンチンで増加が見込まれることから同1.8%増の1億7124万トンと予測されている。輸入量は、中国が大幅 な増加見込みであることから、同1.8%増の1億7124万トンと予測されている。
 消費量は、米国が減少見込みであるものの、他の主要国で前年度を上回ることから、前年度並みとなる11億3497万トンと見込まれている。
 期末在庫は、アルゼンチンを除く主要国で取り崩しが進むことから、前年度をかなりの程度下回る同9.1%減の2億9892万トンと予測されている。
 
表1

2019/20年度の世界の大豆生産量は前年度比4.4%減へ下方修正

 USDA/FASが2019年7月11日に公表した「Oilseeds:World Markets and Trade」によると、2019/20年度の世界の大豆生産量は、ブラジルと中国が増産見込みであるのに対し、米国が作付け面積の減少見込みに伴い、先月の予測から下方修正されたことや、アルゼンチンも減産見込みであることから、前年度比4.4%減の3億4704万トンと予測されている(表2)。
 輸出量は、最大の輸出国であるブラジルが減少見込みであるものの、米国の増加がそれを上回ることから、同0.7%増の1億5126万トンと予測されている。
 輸入量は、世界の過半を占める中国が前年度をわずかに上回ることから、同1.3%増の1億5082万トンと予測されている。
 消費量(搾油仕向け)は、最大の消費国である中国が前年度並みであるものの、米国をはじめとする他の主要国が増加することから、同2.3%増の3億785万トンと予測されている。
 期末在庫は、ブラジルと中国が増加見込みであるものの、米国が生産量の減少見込みに伴い大幅な減少が見込まれていることから、同7.5%減の1億453万トンと予測されている。

 
 
表2

2019/20年度の米国のトウモロコシ生産量、上方修正されるも依然として減産予測

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は2019年7月11日、2019/20年度(9月〜翌8月)の米国の主要農作物需給見通しを公表した。このうち、米国のトウモロコシ需給見通しは、次の通りである。
 生産量は、作付面積が先月の予測から上方修正されたものの、単収が前年度を下回ることから、前年度比3.8%減の138億7500万ブッシェル(3億5243万トン(注1))と予測されている(表3)。
 消費量は、飼料等向けが減少見込みであることから、同0.4%減の121億500万ブッシェル(3億747万トン)と予測されている。
 輸出量は、ブラジル産、アルゼンチン産との競合の影響はあるものの、同2.4%増の21億5000万ブッシェル(5461万トン)と予測されている。
 期末在庫は、生産量の増加に伴い大幅に上方修正されたものの、同14.1%減の20億1000万ブッシェル(5105万トン)と、かなり大きく取り崩される見込みとなっている。
 生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり3.70米ドル(1キログラム当たり15.7円:1米ドル=108円)と見込まれている。
 
 なお、作付面積の調査時に、主産地で天候が不順であったことを踏まえ、米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)では、正確を期すため、7月に作付面積を再調査し、変更があれば8月に公表することとしている。
 
(注1)1ブッシェルを25.4キログラムとしてALICが換算。

 
表3
【藤原琢也 令和元年7月11日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際情報グループ)
Tel:0335834397