ブラジル、豪州、グアテマラのそれぞれの政府は7月11日、インド政府との砂糖産業の支援政策を巡る2国間協議(注)が決裂したことを受け、世界貿易機関(WTO)に対し裁判の一審に当たる紛争処理小委員会(パネル)の設置を要請したと発表した。パネル設置の可否については、同22日に行われるWTOの紛争解決機関会合で審議予定であるが、被申立国のインドには、パネル設置の承認に対して1回に限って拒否権を行使できることから、決定は来月以降に持ち越される可能性が高い。
世界の主要な砂糖輸出国であるブラジル、豪州、グアテマラの政府は、インドによる生産者や製糖業者への補助金は、WTOのルールに明らかに反していると主張し、政策の見直しを求めている。これに対し、インド政府はいずれもWTO協定で認められている補助金であると反論している。
互いの主張は平行線をたどっており、パネルで決着するかは不透明である。ここで解決できなければ、どちらかが裁判の2審に当たる上級委員会に不服を申し立てる可能性が高く、最終的な判断が出るには1年以上かかるとみられる。