ブラジルのテレーザ・クリスティーナ農牧食糧供給大臣は8月28日、ブラジルからインドネシア向け牛肉輸出が解禁されたと発表した。大臣によれば、10施設が少なくとも年間2万5000トンの牛肉輸出を承認された。
クリスティーナ大臣は、今年5月にブラジル産食肉の輸出拡大を目指してアジア諸国を歴訪し、インドネシアのジャカルタを訪問した際、同国のスライマン農相と輸出解禁に向けた会談を行った。会談でクリスティーナ大臣は、ブラジル産牛肉はインドネシアの需要を満たすものであり、価格面からも、同国が多くを輸入する豪州産牛肉の代替となり得るとした。
今回の解禁について、クリスティーナ大臣は、「雇用創出の観点から、ブラジルの牛肉生産者および食肉加工施設にとって良い出来事となった。この結果、GDPも増加するだろう。」と述べている。
米国農務省が2月に公表した「GAIN Report」によると、ブラジルの2019年における牛肉生産量は、堅調な輸出と国内消費を背景に、対前年比3%増の1020万トンと見込まれている。
一方、インドネシアの2018年の牛肉輸入量は年間16万644トンで、うち約5割をインド産(水牛)、約4割を豪州産が占めている(表)。今回輸出の承認が得られた10施設全体の年間輸出可能量は3万トンには満たないものの、今後、輸出承認施設が増えれば、生産が好調で輸出意欲の高いブラジルだけに、今後のインドネシアの牛肉市場に与える影響が注目される。