米国農務省による世界のトウモロコシ・大豆需給予測(2019年9月)
2019/20年度の世界のトウモロコシ生産量、1.5%減へ下方修正
米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2019年9月12日、「Grain:World Markets and Trade」を公表し、世界のトウモロコシ需給予測値を更新した。
今回の予測では、主要国のうち米国とウクライナの生産量が下方修正された。ただし、ウクライナは過去最高の3600万トン(前年度比0.5%増)という高水準に変更はない。
この結果、2019/20年度の世界のトウモロコシ生産量は、前回の同1.3%減から下方修正され、同1.5%減の11億488万トンと予測されている(表1)。
輸出量は、前回から変更ないものの、ウクライナがEU、中東、中国向けを中心に過去最高数量が見込まれることなどから、同0.6%増の1億7284万トンと予測されている。
輸入量は、中国が大幅な増加見込みであることなどから、同0.6%増の1億7284万トンと予測されている。
消費量は、米国を除く主要国で前年度を上回るものの、米国が減少することなどから、同0.4%減の11億2816万トンと見込まれている。
期末在庫は、中国、米国、ウクライナで取り崩しが進むことから、同7.1%減の3億627万トンと予測されている。
2019/20年度の世界の大豆生産量、前年度比5.7%減の予測
USDA/FASが2019年9月12日に公表した「Oilseeds:World Markets and Trade」によると、2019/20年度の世界の大豆生産量は、ブラジルと中国が増産見込みであるのに対し、米国が作付面積および単収の減少に伴い減産見込みであり、さらにアルゼンチンも減産見込みであることから、前年度比5.7%減の3億4139万トンと予測されている(表2)。
輸出量は、主要国のいずれも増加見込みであることから、同0.6%増の1億4939万トンと予測されている。
輸入量は、世界の過半を占める中国が前年度をわずかに上回ることから、同1.1%増の1億4820万トンと予測されている。
消費量(搾油仕向け)は、最大の消費国である中国が前年度並みであるものの、米国をはじめとする他の主要国が増加することから、同2.2%増の3億623万トンと予測されている。
期末在庫は、ブラジルを除く主要国で取り崩しが進むと見込まれていることから、同11.8%減の9919万トンと予測されている。
2019/20年度の米国のトウモロコシ生産量、単収の低下により下方修正
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は2019年9月12日、2019/20年度(9月〜翌8月)の米国の主要農作物需給見通しを公表した。このうち、米国のトウモロコシ需給見通しは、次の通りである。
生産量は、収穫を控え天候要因により左右される時期であるが、今月の予測では、単収が下方修正されたことに伴い前回よりも下方修正され、前年度比4.3%減の137億9900万ブッシェル(3億5049万トン(注1))と予測されている(表3)。
消費量は、飼料等向けが減少見込みであることから、同0.2%減の120億5500万ブッシェル(3億620万トン)と予測されている。
輸出量は、生産量の減少に伴い、同0.5%減の20億5000万ブッシェル(5207万トン)と予測されている。
期末在庫は、生産量が減少したことに伴い、同10.4%減の21億9000万ブッシェル(5563万トン)と、かなりの程度取り崩される見込みとなっている。
生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり3.60米ドル(1キログラム当たり15.4円:1米ドル=109円)と見込まれている。
(注1)1ブッシェルを25.4キログラムとしてALICが換算。
【野田圭介 令和元年9月26日発】
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