フィードロット飼養頭数、7期連続で100万頭を上回る(豪州)
豪州フィードロット協会(ALFA)と豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は11月19日、四半期ごとに共同で実施している全国フィードロット飼養頭数調査の結果(2019年7〜9月期)をそれぞれ公表した。これによると、2019年9月末のフィードロット飼養頭数は、111万9329頭(前年比0.7%減、前回比2.4%減)と、2016年10〜12月の調査時以来11期ぶりに前年同期を下回ったものの、7期連続で100万頭を上回った(図1)。ALFAは、「フィードロットは、豪州の牛肉生産の維持に役立っており、たんぱく質、特に高品質な穀物肥育牛肉に対する世界的な強い需要が、フィードロット業界の生産レベルを支えている。これらにより、東部での干ばつが継続している状況においても、豪州のサプライチェーンは高品質な牛肉で需要を満たすことができた。」とコメントしている。
また、フィードロット収容可能頭数も、高品質な穀物肥育牛肉の需要が強まっていることから、136万5120頭(前年比4.2%増、前回比1.3%減)となった。
フィードロット飼養頭数を州別に見ると、前年比では、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州で減少しているが、飼養頭数の最も多いクイーンズランド州では1.3%増とわずかに増加している。また、南オーストラリア州は、同23.4%増と大幅に、西オーストラリア州では、同11.7%増とかなり増加している(表)。
2019年7〜9月の穀物肥育牛と畜頭数は、フィードロット飼養頭数の増加を背景に、77万頭(前年同期比3.0%増)とやや増加した(図2)。
また、MLAによると、2019年7〜9月の穀物肥育牛肉輸出量は、8万1233トン(同2.4%減)とわずかに減少した。
輸出先国別に見ると、中国向けは、ASF(アフリカ豚コレラ)発生による代替需要により、1万9990トン(同45.2%増)と大幅に増加した。一方、韓国向けは、1万3973トン(同16.5%減)と大幅に、日本向けは3万3518トン(同14.2%減)とかなり大きく減少した。
また、穀物肥育牛の肥育もと牛価格は、キログラム当たり2.94豪ドル(226円:1豪ドル=77円)と、前期(2019年4〜6月)と比較して4%、前年同期(2018年7〜9月)と比較しても5%上昇した。さらに、2019年7〜9月期のクイーンズランド州における100日間肥育した穀物肥育牛の平均生産者販売価格は、キログラム当たり5.89豪ドル(454円)と前年同期比11%上昇し、2016年10月の過去最高価格と同等の水準となった。穀物肥育牛の販売価格は、特にアジア市場での強い需要により、年間を通じて上昇している。
【菅原 由貴 令和元年11月26日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4394