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米国農務省による世界のトウモロコシ・大豆需給予測(2019年11月)

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2019/20年度の世界のトウモロコシ期末在庫量、3億トン割れに下方修正

 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2019年11月8日、「Grain:World Markets and Trade」において世界のトウモロコシ需給予測値を更新した。
 今回の予測では、2019/20年度の世界のトウモロコシ生産量は、米国やメキシコの生産量が下方修正されたことにより、前年度比2.0%減の11億216万トンと予測されている(表1)。
 輸出量は、堅調な輸出が続いているブラジルが前回から上方修正された一方、米国がシーズン当初の販売と船積みが通常ペースより遅かったことを反映して下方修正され、世界計では同0.1%減の1億7204万トンと予測されている。
 輸入量は、中国が大幅に増加する一方、EUが減少する見込みであり、世界計では同0.1%減の1億7204万トンと予測されている。
消費量は、減少が見込まれていた米国がさらに今回下方修正されたことなどから、世界計では同1.8%減の11億2627万トンと予測されている。
 期末在庫は、米国、中国などで取り崩しが進むことなどから、世界計では同7.5%減の2億9596万トンと今回の予測では3億トンを割ると予測されている。
表1

2019/20年度の世界の大豆生産量、インド等で前回に続き下方修正

 USDA/FASは2019年11月8日、「Oilseeds:World Markets and Trade」を公表し、世界の大豆需給予測値を修正した。
 今回の予測では、2019/20年度の世界の大豆生産量は、インド、カナダ、米国等を中心に前回に続き生産量が下方修正されたことから直近4年間で最も少なく、前年度比6.0%減の3億3656万トンと予測されている(表2)。
 輸出量は、ブラジル、米国等の主要国が増加する中、減少が見込まれていたアルゼンチンが今回上方修正されたことなどから、世界計では同0.4%増の1億4975万トンと予測されている。 
 輸入量は、最大の輸入国である中国が前年度をやや上回ることなどから、世界計では同1.9%増の1億4854万トンと予測されている。
 消費量(搾油仕向け)は、最大の消費国である中国およびインドが今回下方修正となったものの、米国、アルゼンチン、ブラジル等他の主要国が前年より増加することなどから、世界計では同1.4%増の3億271万トンと予測されている。
 期末在庫は、ブラジルを除き米国、アルゼンチン等の主要国で取り崩しが進むことなどから、世界計では同13.0%減の9542万トンと予測されている。
表2

2019/20年度の米国のトウモロコシ生産量、単収の減少により下方修正

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は2019年11月8日、2019/20年度(9月〜翌8月)の米国の主要農作物需給見通しを公表した。このうち、米国のトウモロコシ需給見通しは、次の通りである。
 生産量は、天候の影響により平年より収穫期が遅れているが、11月の予測では、単収の減少に伴い前回よりも下方修正され、前年度比5.3%減の136億6100万ブッシェル(3億4699万トン(注1))と予測されている(表3)。なお、単収は前回よりも1エーカー当たり1.4ブッシェル引き下げられ、167.0ブッシェルと予測されている。
 消費量は、飼料等向けが前回よりも下方修正され、同2.8%減の120億6500万ブッシェル(3億645万トン)と予測されている。
 輸出量は、シーズン当初の販売と船積みが通常のペースより遅かったことを反映して、同10.4%減の18億5000万ブッシェル(4699万トン)と予測されている。
 期末在庫は、消費量が減少するものの、期首在庫が前年より少なく、また生産量が減少したことから、同9.6%減の19億1000万ブッシェル(4851万トン)と、かなりの程度取り崩されると予測されている。
 生産者平均販売価格は前回よりも上方修正され、1ブッシェル当たり3.85米ドル(1キログラム当たり16.8円:1米ドル=111円)と予測されている。

(注1)1ブッシェルを25.4キログラムとしてALICが換算
表3
【井田 俊二 令和元年12月10日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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