マハラシュトラ州、砂糖生産量が前年度の約5割まで落ち込む見込み
最終更新日:2020年1月8日
現地報道によると、インドの砂糖生産量第2位のマハラシュトラ州では、サトウキビの減産による集荷不足によって、製糖期間が例年より2カ月以上短くなり、2019/20年度(10月〜翌9月。以下、「今年度」という)の砂糖生産量が前年度の約5割まで落ち込む見込みである。
同州では、2018年の干ばつの影響による生育不良に加え、2019年8月に発生した豪雨によって多くのサトウキビ圃場が浸水被害を受け、今年度のサトウキビの収穫面積は82万2000ヘクタール(前年度比29.3%減)と大幅に減少するとみられる。また、浸水によって損傷したサトウキビが飼料用に仕向けられていることで、製糖工場に搬入されるサトウキビの量はさらに減少している。
同州の製糖期間は、一般的に雨季と乾季の変わり目に当たる11月頃から始まり翌3月下旬までとされている。現在、同州の製糖工場の稼働状況は最盛期を迎えているものの、今年度圧搾を行った工場は前年度比26.7%減の137工場で、うち2工場はすでに製糖を終了した。さらに、大半の製糖工場も原料不足を理由に、今年度の製糖を1月末から2月末までに終了するとみられる。今年度の圧搾開始日が原料不足を理由に約1カ月後ろ倒しされた(注)ことも考慮すると、同州の今年度の製糖期間は例年より実質2カ月以上短くなる見込みである。
同州の砂糖局によると、上述のサトウキビの減産を背景に、今年度の同州の砂糖生産量は520万トンと前年度の約5割まで落ち込むと予測されている(図1)。また、インド製糖協会によると、2019年12月31日時点の砂糖生産量は同州とインドの砂糖生産量第3位であるカルナータカ州でほとんど差がなく、同州は生産量第2位の座を今年度保てない可能性がある(図2)。
(注)同州では、州政府が砂糖業界関係者と協議の上、サトウキビの圧搾開始日を決定する。それより早く操業を開始した製糖業者には罰金が課せられる。
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