糖類などを多く含む食品や飲料への警告ラベル表示を義務化
最終更新日:2020年1月10日
現地報道によると、イスラエルでは2020年1月1日から、糖類(注1)・ナトリウム(塩分)・飽和脂肪酸の含有量が基準値を超える食品や飲料の容器に、それぞれの成分が過剰に含まれていることを示す警告ラベルの表示が義務化された(図1)。
商品の容器への警告ラベルの表示義務は、すでにチリやペルーなどで導入されているが、世界的には実施国はまだ少ない。イスラエル保健省は、警告ラベルの対象となる各成分の含有量を固形食品と液体食品に分けて設定しており、糖類を含む食品の場合、固形分100グラム中13.5グラムを超えるものや液体100ミリリットル中5 グラムを超えるものについて、2020年1月1日以降は警告ラベルの表示が必要となっている(表)。さらに、制度開始1年後の2021年1月1日から基準値がさらに引き下げられる項目もある。また、対象外品目は茶やコーヒーなどに限られ、ほとんどの食品が同制度の対象となる。米国農務省海外農業局 (USDA/FAS)は、同制度について「国際的に最も基準の厳しい食品表示制度の一つ」と評価した。
イスラエル保健省が警告ラベルの義務化を実施した背景には、消費者が商品を選択する際に栄養成分を容易に認識できるようにすることで、糖尿病など食生活に起因する疾病の罹患(りかん)率の削減につなげたい狙いがある。同国では、15歳以上の国民の半数以上が過体重または肥満(注2)である(図2)。また、その割合は年々増加傾向にある(図3)。また、国内の中学一年生を対象にした同省の調査では、全体の約13%が肥満と判定され、若年層の肥満も深刻化しつつある。
(注1) 警告ラベルの対象となる糖類は食品中に含まれる単糖類(ブドウ糖など)または二糖類(ショ糖など)を指し、糖アルコール(キシリトールやソルビトールなど)を含まない。
(注2) 過体重はBMI(Body Mass Index)が25以上30未満、肥満はBMIが30以上の状態を指す。
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