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米国農務省による世界のトウモロコシ・大豆需給予測(2020年1月)

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2019/20年の世界のトウモロコシ期末在庫量予測、再び3億トン割れ

 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2020年1月10日、「Grain:World Markets and Trade」において世界のトウモロコシ需給予測値を更新した。
 今回の予測では、2019/20年度の世界のトウモロコシ生産量は、バングラディシュ、EU、ロシアおよび米国など全体的に前回より上方修正されたが、世界計はなお前年度比1.0%減の11億1084万トンと予測されている(表1)。
 輸出量は、海外からの需要に対応してブラジル、ウクライナおよびEUなどが前回より上方修正される一方、生産量の減少や国内消費の増加により輸出余力に制約を受けた米国が下方修正された。世界計では中国などが増加したことから同0.2%増の1億7226万トンと予測されている。
 輸入量は、バングラディシュが前回より下方修正されたものの、世界計では同0.2%増の1億7226万トンと予測されている。
 消費量は、米国が前回より上方修正(同時に2018/19年度の同国の消費量が下方修正)され、世界計では同0.9%減の11億3341万トンと予測されている。
 期末在庫は、中国および米国が下方修正され、世界計では同7.0%減の2億9781万トンと前回の3億トン台から再び3億トン割れになると予測されている。
表1

2019/20年度世界の大豆需給予測、大きな修正はなし

 USDA/FASは2020年1月10日、「Oilseeds:World Markets and Trade」を公表し、世界の大豆需給予測値を更新した。
 今回の予測では、2019/20年度の世界の大豆生産量は、米国が単収の増加により前回より22万トン上方修正されたものの前年度比では19.6%減となり、世界計では同5.7%減の3億3770万トンと予測されている(表2)。
 輸出量は、前回からの修正はなく、ブラジル、米国、パラグアイなどが増加する一方、アルゼンチン、カナダなどが減少することから、世界計ではほぼ前年度並み(同0.05%減)の1億4915万トンと予測されている。 
 輸入量は、メキシコが前回より上方修正されたが、世界計では、最大の輸入国である中国が前年度をやや上回ることなどから、同1.4%増の1億4795万トンと予測されている。
 消費量(搾油仕向け)は、中国、メキシコが前回より上方修正され、世界計では同1.8%増の3億358万トンと予測されている。
 期末在庫は、ブラジルが前回より上方修正、一方中国が下方修正されたが、世界計では、米国、アルゼンチン等で取り崩しが進むことなどから、同12.3%減の9667万トンと予測されている。
表2

2019/20年度米国のトウモロコシ需給予測、飼料等向け消費量を上方修正

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は2020年1月10日、2019/20年度(9月〜翌8月)の米国の主要農作物需給見通しを公表した。このうち、米国のトウモロコシ需給見通しは次の通りである。
 生産量は、収穫面積が減少するものの単収が増加し、前回よりわずかに上方修正され、全体では前年度比4.5%減の136億9200万ブッシェル(3億4778万トン(注1))と予測されている(表3)。
 消費量は、飼料等向けが前回より上方修正された。この結果、飼料等向け消費量は、前年度比1.7%増と前年度実績を上回った。全体では同0.6%増の122億9500万ブッシェル(3億1229万トン)と予測されている。
 輸出量は、12月を通じて船積みが通常のペースより遅かったことなどから前回より下方修正され、前年度比14.0%減の17億7500万ブッシェル(4509万トン)とかなり大きく減少すると予測されている。
 期末在庫は、生産量の減少等を反映して、前年度比14.8%減の18億9200万ブッシェル(4806万トン)と予測されている。
 生産者平均販売価格は前回と変わらず、1ブッシェル当たり3.85米ドル(1キログラム当たり16.8円:1米ドル=111円)と予測されている。

(注1)1ブッシェルを25.4キログラムとしてALICが換算。
表3
【井田俊二 令和2年1月17日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 国際調査グループ (担当:井田俊二)
Tel:03-3583-9532