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2019/20年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第4回)を公表(ブラジル)

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 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は1月8日、2019/20年度(10月〜翌9月)第4回目となる主要穀物の生産状況等調査結果の要約版を、同15日に州ごとの分析や細かい講評を加えた完全版を公表した。当該調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2作・第3作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。これによると、穀物合計では作付面積、単収がともに前年度を上回ることから、生産量も前年度を上回ると見込まれている(表1)。
 トウモロコシの生産量は、CONABが統計を取り始めて以来、最高となった前年度をわずかに下回る見込みとなった(図1)。なお、第1作トウモロコシは作付面積、単収ともに増加するため、生産量の増加が見込まれているものの、第2作および第3作トウモロコシの単収が減少することからトウモロコシの生産量は全体としても減少する見込みとなった。一方、大豆については、作付面積および単収の増加傾向が続いていることから、過去最大の生産量を記録する見込みとなった。3回連続で作付面積が増加見込みとなっており、生産量もさらに記録を更新する見込みとなっている(図2)。
表1
図1
図2
(参考)2019/20年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第3回)を公表(ブラジル)
https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002578.html
参考

トウモロコシ生産量は前年をわずかに下回るものの、2回連続で減少幅は縮小

第1作は各地で天候が良く、単収が上方修正される

 第1作トウモロコシの生産量は、前年度比3.8%増の2661万7500トンと見込まれている(表2)。
 主要生産州(上位5州)の生産量は同4.3%増とやや増加すると見込まれている。南部のリオグランデドスル州では12月は雨が少なく高温だったものの、収穫が始まったばかりであり、前回公表と同じ見込みとなった。また、パラナ州では相場の高い大豆の作付けが増加傾向であることから、作付面積は同6.0%減と見込まれているものの、天候が良く単収は同5.0%の見込みとなったことから、生産量もわずかな減少にとどまる見込みとなった。サンタカタリーナ州においても天候が良く、単収が同1.4%増(前回は同3.5%減)に転じたことから、生産量も同1.7%増の見込みとなった。一方、中西部のゴイアス州においても、特に病害などの発生もなく、生育は順調に進んでいる。
表2

第2作および第3作の生産量、単収が減少見込みも不透明

 第2作および第3作トウモロコシの生産量は、それぞれ前年度比3.1%減の7093万6500トン、同5.1%減の115万6500トンと見込まれている(表3、4)。ただし、第2作は1月から、第3作は5月から播種が始まるため、今回の報告では、まだ作付面積の予測が行われておらず、前年度並みに仮置きされており、春植えの夏期作物(大豆・トウモロコシ)の生産状況を受け、今後、徐々に見通しが判明する見込みである。
表4
表4

マトピバ地域の生産量は前年をわずかに下回る

 北東部に位置する新興農業開発地域のマトピバ地域(同地域の生産量はブラジル全体の生産量の約7%を占める)におけるトウモロコシ生産量は、前年度比0.7%減の641万3700トンと見込まれている(表5)。
 トカンチンス州では、降雨不足により播種が遅れており、この影響が今後の価格上昇につながる見通しとなっているため、作付面積が増加する見込みとなった。また、ピアウイ州の南西部では、第1作の播種は昨年と比べるとかなり遅れており、第2作の播種にも影響するとみられている。
表5
参考1

大豆は、3回連続で生産量が上方修正される

 大豆は、作付面積の増加傾向が続く見通しであることから、前年度比6.3%増の1億2222万5200トンと過去最大の生産量が見込まれている(表6)。堅調な相場により生産者の作付意欲が高く、公表回を追うごとに作付面積が増加していることから、生産量もさらに記録を更新する見込みとなっている。
 最大生産州のマットグロッソ州では、12月上旬に播種が終了し、生育は順調に進んでいるため、生産量は同2.9%増の見込みとなった。一方、南部のパラナ州では今年度も一部の地域で干ばつの影響があったものの、前年度において干ばつや高温の影響を大きく受けたことから、単収は同20.4%増と大幅に増加すると見込まれている。
表6

マトピバ地域では播種作業はおおむね終了

 マトピバ地域の大豆生産量(同地域の生産量はブラジル全体の生産量の約12%を占める)は、前年度比4.3%増の1406万トンと見込まれている(表7)。生産者の大豆の作付意欲が高まっていることから、作付面積は同3.1%増の見込みとなっている。なお、降雨不足により、一部の地域において再度播種する必要があったものの、播種作業はおおむね終わっていると報告されている。
表7
参考2
参考3
【山口 真功 令和2年1月21日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9472