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米国農務省による世界のトウモロコシ・大豆需給予測(2020年2月)

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2019/20年の世界のトウモロコシ期末在庫量予測、前月に続き3億トン割れ

 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2020年2月11日、「Grain:World Markets and Trade」において世界のトウモロコシ需給予測値を更新した。
 今回の予測では、2019/20年度の世界のトウモロコシ生産量は、南アフリカ、モルドバおよびウクライナなどが前回より上方修正される一方、ベトナムが下方修正され、全体で75万トン上方修正された。世界計は前年度比1.0%減の11億1159万トンと予測されている(表1)。
 輸出量は、海外からの需要に対応してウクライナ、南アフリカおよびEUなどが前回より上方修正される一方、米国が積荷のペースが遅いことから下方修正され、全体で70万トン上方修正された。世界計では同0.6%増の1億7296万トンと予測されている。
 輸入量は、トルコおよびブラジルが前回より上方修正され、世界計では同0.6%増の1億7296万トンと予測されている。
 消費量は、米国のほかブラジルなどが前回より上方修正され、世界計では同0.7%減の11億3522万トンと予測されている。
 期末在庫は、ベトナム、ブラジル、パラグアイおよびEUなどが下方修正され、世界計では同7.4%減の2億9684万トンと3億トンを下回ると予測されている。
表1

2019/20年度世界の大豆生産量予測、ブラジルで上方修正

 USDA/FASは2020年2月11日、「Oilseeds:World Markets and Trade」を公表し、世界の大豆需給予測値を更新した。
 今回の予測では、2019/20年度の世界の大豆生産量は、ブラジルが南部や北東部の大豆生産地域の降水状況が改善するとともに、最大生産州であるマットグロッソ州の気象が良好で200万トン上方修正されたことなどから、世界計では前年度比5.4%減と前回より0.3ポイント減少率が縮小し、3億3940万トンと予測されている(表2)。
 輸出量は、米国、ブラジルのほかウクライナなどが今回上方修正されたことから、世界計では同2.2%増の1億5150万トンと予測されている。 
 輸入量は、中国が搾油仕向け量を増加することを反映して300万トン上方修正されたことなどから、世界計では、同3.7%増の1億5080万トンと予測されている。
 消費量(搾油仕向け)は、中国が引き続き前回より上方修正され、世界計では同2.1%増の3億433万トンと予測されている。
 期末在庫は、生産量が増加したブラジルや在庫を積み増した中国が前回より上方修正される一方、米国などで下方修正された。世界計では、米国、アルゼンチンなどで取り崩しが進むことなどから、同11.1%減の9886万トンと予測されている。
表2

2019/20年度米国のトウモロコシ需給予測、輸出量は前年度比大幅減

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は2020年2月11日、2019/20年度(9月〜翌8月)の米国の主要農作物需給見通しを公表した。このうち、米国のトウモロコシ需給見通しは次の通りである。
 生産量は、前回予測と修正なく、前年度比4.5%減の136億9200万ブッシェル(3億4778万トン(注))と予測されている(表3)。
 消費量は、エタノール向けが前回より5000万ブッシェル(127万トン)上方修正された。この結果、全体では同1.0%増の123億4500万ブッシェル(3億1356万トン)と予測されている。
 輸出量は、積荷のペースが遅いことから引き続き前回より5000万ブッシェル(127万トン)下方修正され、同16.5%減の17億2500万ブッシェル(4382万トン)と大幅に減少すると予測され、消費量の増加分を相殺する形となっている。
 期末在庫は前回と変わらず、生産量の減少等を反映して、前年度比14.8%減の18億9200万ブッシェル(4806万トン)と予測されている。
 また、生産者平均販売価格は前回と変わらず、1ブッシェル当たり3.85米ドル(1キログラム当たり16.8円:1米ドル=111円)と予測されている。

(注)1ブッシェルを25.4キログラムとしてALICが換算。
表3
【井田 俊二 令和2年2月21日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9532