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多品目の米国産農産品の追加関税の免除を公表(中国)

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 中国が輸入する米国産農産品に対し、2018年4月2日以降数次にわたって追加関税が課されたが、2020年2月14日から一部について減税されている。
 このたび、中国国務院関税税則委員会は、多品目の米国産農産品に対し、一部の追加関税を同年3月2日から免税する旨公表した(表)。
表 追加課税および免税の状況
 食肉については、牛肉や豚肉が今回の免税の対象となったが、鶏肉は対象となっていない
 牛肉については需要が高まっており、2019年の冷蔵牛肉の全輸入量は前年比約1.4倍、冷凍牛肉は同約3倍であった。米国産のシェアは1%以下とまだ低いため、輸入を増加させる狙いがあると考えられる。
 豚肉については、2019年の生産量が前年から2割以上減少しており、全輸入量は前年比約1.7倍となった。高い追加関税が課されていた米国産については一時的に輸入量は減少していたが、すでに追加関税賦課前の水準まで増加している。今後国内生産量がすぐに回復するとは考え難いことから、さらに輸入量を増加させるため、免税の対象としたと考えられる。
 一方、鶏肉については、今回の免税の対象となっていないが、2019年12月から米国からの輸入が再開されており、同年の国内生産量は前年から13%程度増加している。

 乳製品については、ホエイや脱脂粉乳などが免税の対象となった。ホエイおよび脱脂粉乳については、追加関税が課される前の2017年ではともに輸入量の4割以上を米国が占めていたが、課税以降は減少していた。中国では、輸入ホエイのうち約3割、脱脂粉乳のうち約8割がパンや冷凍食品などの加工品に仕向けられており、食の洋風化や女性の社会進出により需要が増加しているといわれている。しかしながら、当該2品目は国内ではあまり生産されていないため、免税対象にして輸入を増加させる狙いがあると考えられる。
 *以前、当記事では、乳製品の免税対象がホエイおよび脱脂粉乳としておりましたが、乳糖や育児用調製粉乳も免税対象でした。お詫びして訂正いたします。
【寺西 梨衣 令和2年2月27日発】
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