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欧州飼料産業団体、新型コロナウイルス発生に対応した飼料の安定供給に関する緊急措置を欧州委員会に要請

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 欧州の飼料産業団体である欧州穀物・油糧作物輸出入組合(COCERAL)、欧州油脂・油糧粕協会(FEDIOL)、欧州配合飼料生産者連盟(FEFAC)の三者は連名で3月17日、欧州での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が拡大する中、飼料供給に混乱が生じないよう緊急措置を講じるよう欧州委員会に要請した。
 
 具体的には、欧州委員会が前日16日、欧州における急速な感染拡大を背景として、各国が推し進める国境管理措置に関するガイドライン(参考)をEU加盟国に通知したところであるが、その対象に「飼料」も含めるよう要請した。
 同ガイドラインは、食料や医療機器などの不足を防ぎ、EU単一市場を確保した上でEU市民の健康を守るために通知されたものである。医療従事者などの渡航の必要のある者には適切な処遇を保証し、家畜、食品などの生活必需品や、乳幼児・高齢者ケア、公益事業などの生活必需サービスの確保を図ることを目的とし、特に食品や医薬品、医療機器などの貨物輸送については優先レーンを導入することなどを加盟国に求めていた。
 
 上記飼料産業団体三者はプレスリリースの中で、消費者が必要とする主要な食料(である畜産物)の供給および動物の健康と福祉を確保する観点から、飼料は家畜に対し毎日給与される必要があるとした。また、スペイン、イタリア、ベルギーなど一部の加盟国では既に飼料を必需品の対象物資に加えているものの、EU全体での統一的な取り組みが必要であるとした。
 また、EUおよび各加盟国当局に対し、あらゆる飼料や飼料原料が、日持ちするものであっても、必要な衛生対策が講じられている限り、EU域内を制約なく輸送できる環境が確保されるよう迅速な行動を求めるとした。さらに、16日に決定されたEU域外との国境管理の強化は、EUで必要とされる食品や飼料原料を輸送するEU域外からの船舶には適用されるべきではないとした。
 
 プレスリリースの最後で各団体の長は、欧州委員会の推し進める新型コロナウイルスの感染を遅らせるためのEUおよび加盟国レベルでの厳格な封じ込め政策の必要性は十分に理解するとしたものの、消費者への食料供給および動物福祉の観点による「飼料」の重要性を強調した。

 【参考】
【調査情報部 令和2年3月27日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-8527