米国内に60カ所の食肉処理場、調製食料品工場を保有する、米国最大の牛肉パッカーであるJBS USA社は4月14日、コロラド州グリーリーにある牛肉処理場(牛肉処理能力は1日当たり5,400頭)を4月24日まで操業停止することを発表した。同社の操業停止は、ペンシルベニア州サウダートンの牛肉処理場に次ぐ2例目となる。同社はコロラド州で6,000人以上を雇用する最大の企業であり、新型コロナウイルス感染症(COVID−19)の拡大抑制の支援に焦点を合わせた措置であると説明している。
同社のプレスリリースによると、まず15日から2日間、操業停止に係る準備として、施設内に留まっている食肉製品処理のための最少人員を残しつつ、一時閉鎖を行うとしている。その後、コロラド州公衆衛生・環境局などと協議の上、同処理場の従業員に対し、コロラド州知事による在宅命令を順守するよう勧告する予定だ。なお、処理場閉鎖中も従業員への給与支払いを継続するとしている。
最高経営責任者(CEO)のアンドレ・ノグエイラ氏は、「グレーリー牛肉処理場は、米国の食料供給及び肉牛生産者にとって極めて重要だが、(処理場が所在する)ウェルド郡でCOVID−19の拡大が続いているため断固とした行動が必要とされている。この地域の先導的一員として、当社は地域の医療従事者を支援し、COVID-19との闘いを先導する最初の企業として、当社のできることを行わなければならないと考えている」と述べている。
また、同社では他の処理場でも欠勤者が増えているが、過半の処理場は米国民に食料を提供し続けるため、稼働率を高めて操業を続けているとしている。
(JBS社 プレスリリース 2020年4月13日)
https://jbssa.com/about/news/2020/04-13/#.Xpa3h0l7k2w
なお、現地報道によると、JBS USA社は従業員の感染に関する情報を公開していないが、同処理場の従業員が複数感染し、重症・死亡者も出ているとしており、症状を自覚していた多くの従業員が業務を継続していたことが指摘されている。