新型コロナウイルス感染症の拡大による食肉検査への影響(第2回報告)(ブラジル)
ブラジル農牧食糧供給省の農牧防疫局 動物製品検査部(DIPOA/SDA/MAPA)は5月8日、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の拡大による連邦検査サービス(SIF)の検査への影響について2回目の報告書を公表した。この中で2020年1月〜4月の食肉処理場での検査状況および食肉処理場の停止状況について報告している。なお、動物由来の製品検査と衛生認証は、2020年3月20日政令10282号によって国民の生存、健康、安全のために不可欠なものと定義されている。
2020年1月〜4月における食肉処理場での検査状況
ブラジルでは、州を超えた取引や輸出される動物製品の場合には、SIFを行うことができる職員がと畜前後で衛生検査を行うことが義務付けされている。2020年1月〜3月に獣医による衛生検査を受けてと畜された牛の頭数は、COVID-19がブラジルで本格的に拡大する前である1、2月においても前年を下回っているものの、月を追うごとに減少幅は縮小しており、3月では前年同月比7.6%減となった(表1)。一方、豚と家きんについては、1、2月はともに前年とほとんど変わらない検査数となっているものの、3月については、COVID-19の拡大にもかかわらず前年をかなり上回る検査数となった。
4月は集計中であるが、一部の食肉処理場で稼働が停止した一方で(詳細は後述)、SIFに登録されている牛のと畜場のうち、11%に当たる24カ所で通常の勤務に加え、シフト時間の延長やと畜日の増加により追加の検査が行われた。また、豚および家きんについても、それぞれ28%に当たる25カ所、35%に当たる46カ所で追加の処理にかかる検査要請があり、そのうち94%で追加の検査が行われた。
COVID-19による食肉処理場の停止状況
DIPOAは、COVID-19が拡大している中、食肉処理場でのCOVID-19関連状況などの最新情報を得るために、関連企業や生産部門の責任者と連絡を取り合い、監視の役割を果たしている。今回の報告書によれば、COVID-19の拡大を最小限に抑えるため、4月には39カ所の食肉処理場が活動を停止した(表2)。
【山口 真功 令和2年5月14日発】
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