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タイ政府、キャッサバ農家への所得補償として追加予算を承認〜新型コロナウイルス感染症拡大による輸出減退などを受け市場価格が低迷〜(タイ)

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最終更新日:2020年5月21日

 タイでは、農業経営の安定化を図るために、主要農作物のうち5品目(コメ、アブラヤシ、天然ゴム、キャッサバおよび飼料用トウモロコシ)で、所得補償のための価格保証制度(注)が導入されている。 
 4月末時点において、2019年10月〜2020年12月31日までに収穫されるキャッサバに係る予算額96億7158万バーツ(327億円:1バーツ=3.38円)のうち、半分が消化されるという試算を踏まえ、政府は2020年4月28日、今後も補てん請求の増加が見込まれるとして、キャッサバ農家向け支援に4億5800万バーツ(15億円)の追加予算を承認した。
 政府保証価格の算定基礎となるキャッサバの市場価格低迷の背景には、前年の干ばつの影響によるキャッサバの品質低下や、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により、主要輸出先である中国向けのキャッサバ製品(タピオカでん粉など)の輸出が平年と比較して低調であることなどが指摘されている。報道によると、制度支出の増加を見込む政府は、市場価格の保証基準価格割れ(=市場価格の低迷)の継続も想定していると考えられ、市場価格の低迷は、今後、同国のキャッサバやタピオカでん粉などの生産動向や貿易動向などにも、影響すると考えられる。

(注)当制度は、各農作物の市場価格が、農作物別に設定された政府保証価格(キャッサバ根茎(でん粉含有率25%):1キログラム当たり2.5バーツ(8円))を下回った場合に、その差額を補てんするもの。1戸当たりの保証対象生産量は、100トンまで。
(参考)キャッサバの国内価格の推移
【荒川 侑子 令和2年5月21日発】
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