新型コロナウイルス感染症の拡大による食肉検査への影響(第3回報告)(ブラジル)
ブラジル農牧食糧供給省の農牧防疫局 動物製品検査部(DIPOA/SDA/MAPA)は6月16日、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の拡大による連邦検査サービス(SIF)の検査への影響について3回目の報告書を公表した。この中で2020年1〜5月の食肉処理場での検査状況および食肉処理場の停止状況について報告している。なお、動物由来の製品検査と衛生認証は、2020年3月20日政令10282号によって国民の生存、健康、安全のために不可欠なものと定義されている。
2020年4月における食肉処理場での検査状況
ブラジルでは、州を超えた取引や輸出される動物製品の場合には、SIFの検査を受けることが義務付けされている。2020年4月に検査された牛の頭数は、前年同月比19.4%減となった(表1)。なお、牛については、COVID-19がブラジルで本格的に拡大する前である1、2月においても前年を下回っていた。また、豚については同0.2%減とほぼ前年並み、家きんについては同1.4%増と前年をわずかに上回った。
5月は集計中であるが、一部の食肉処理場で稼働が停止した一方で(詳細は後述)、SIFに登録されている牛のと畜場のうち、8%に当たる18カ所で通常の勤務に加え、シフト時間の延長やと畜日の増加による追加の検査要請があり、そのうち95%で検査が行われた。また、豚については29%に当たる26カ所、家きんについては38%に当たる49カ所で追加の処理にかかる検査要請があり、それぞれ95%、94%で追加の検査が行われた。
なお、同報告の中で、5月の家きんのSIF検査件数は前年を上回ると見込んでいる。
食肉処理場の停止状況
DIPOAは、食肉処理場でのCOVID-19関連状況などの最新情報を得るために、関連企業や生産部門の責任者と連絡を取り合い、監視の役割を果たしている。今回の報告書によれば、5月には47カ所の食肉処理場が活動を停止した(表2)。ただし、停止日数はそれぞれの食肉処理場によって異なり、5月中に稼働が再開した処理場もあるとしている。
【山口 真功 令和2年6月19日発】
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