国内最大取引規模の農産物専門卸売市場、職員の新型コロナウイルス感染症の発症を受け、営業を停止(中国)
最終更新日:2020年7月3日
現地報道によると、中国北京市にある新発地卸売市場では、市場職員が新型コロナウイルス感染症(COVIDー19)に感染したことが確認されたことを受け、2020年6月13日から営業を停止している。
新発地卸売市場は、総面積121.3ヘクタール、職員数1759人、市場内店舗数5558軒、顧客企業8000社の全国最大取引規模の農産物専門卸売市場で、取扱量は北京市の野菜供給量の70%、果物供給量の80%、豚肉供給量の10%、牛・羊肉供給量の3%を占める。同市場の営業停止により、北京市内の生鮮農産物の供給に影響が生じることが懸念されている。
これに対し北京市商務局は同年6月12日にプレスリリースを行い、「北京市の生鮮農産物を取り扱う大部分のスーパーは自らの供給ルートを持っており、いくつかの大型スーパーは直営生産および販売を行っているため、新発地卸売市場の営業停止が生活必需品の供給に与える影響は大きくない」旨を表明した。
同年6月13日の報道によると、カルフール(外資系大型スーパー)は、「自前の農産物生産基地を持っているが、一部の生鮮野菜・果物、食肉類は新発地卸売市場で購入していた」旨を表明した。一方、京客隆(国内資本大型スーパー)は、「生鮮農産物は自家生産・販売を行っているので、新発地卸売市場で生鮮農産物を購入する必要はない」旨を表明した。報道時点では、北京の多くの大型スーパーのうち野菜(一部の葉野菜を除く)の品不足が生じているところは少数で、ばれいしょ、かんしょおよびにんじんなどは豊富にある、とのことであった。
北京市内の市場価格を見ても、13日の新発地卸売市場の営業停止直後においてはセルリーやレタスの価格が高騰したものの、その後は下落基調にある(図1〜3)。
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