米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)は6月30日、2020年のトウモロコシおよび大豆の作付面積を公表した。
トウモロコシの作付面積は9201万エーカー(3724万ヘクタール)であり、前年比2.6%増とわずかに増加した。州毎では、集計を行った48州のうち28州で増加または前年並みとなった。また、収穫面積は、前年比3.3%増の8402万エーカー(3400万ヘクタール)と予測されている。
今年作付されたトウモロコシの92%が、昨年同様、害虫抵抗性、除草剤耐性またはその両方を持った遺伝子組み換え品種である。
また調査時点において、予定面積の98%で作付けが完了していた。
大豆の作付面積は8383万エーカー(3392万ヘクタール)であり、前年比10.2%増とかなり増加した。州毎では、集計を行った29州のうち24州で増加または前年並みとなった。また、収穫面積は、前年比10.8%増の8302万エーカー(3360万ヘクタール)と予測されている。
今年作付された大豆の94%が、昨年同様、除草剤耐性を持った遺伝子組み換え品種である。
今年は昨年ほど春先の天候不順の影響は少なく、大規模な作付けの遅延もみられていない。実際に、全米のトウモロコシの作付面積の半分が終了したのは本年5月3日であり、昨年と比べて17日も早かった。同様に、トウモロコシよりも作付時期が遅い大豆については、本年5月16日であり、昨年と比べて21日も早かった。また、6月21日の時点では、全米で作付されたトウモロコシの72%が良※またはとても良い、大豆は70%が良またはとても良いという状況であり、順調な生育がみられている。
※ USDAはトウモロコシをはじめとする作物の生育状況についてVery poor(とても悪い)〜Poor(悪い)〜Fair(普通)〜Good(良い)〜Excellent(とても良い)の5段階の指標を用いている。
昨年、大豆に関しては、米中貿易紛争における中国による追加関税の影響や、春先の中西部における天候不順により、作付面積が大きく減少した。今年は天候不順の影響が少なく、第一段階の米中経済貿易協定の効果もあって、作付面積は大きく増加し、生産量も輸出量もともに増加すると予想されている。トウモロコシに関しても、昨年より作付面積も生産量も増加すると予想されているが、大豆およびトウモロコシのいずれも今後の天候次第で生産量は大きく変動するため、動向が注目される。