米国農務省農業マーケティング局(USDA/AMS)が公表している「National Summary of Meats Graded」によると、2019年度(2018年10月〜2019年9月)の肉質等級別牛肉格付実績
(注1)(重量ベース)は、肉質等級の格付を受けた牛肉全体に占めるプライム級(最上位等級)の割合が8.8%(前年度比1.2ポイント増)と過去最高を更新した(表)。割合が最も多いチョイス級は73.4%(同0.3ポイント減)、次いで多いセレクト級は17.5%(同1.0ポイント減)となった。また、肉質等級の格付を受けた牛肉全体のうち、上位3等級(プライム級〜セレクト級)に分類されたものが99.7%、歩留等級の格付を受けなかったものが71.9%となった。なお、過去5年間では、プライム級が増加、チョイス級がおおむね横ばい、セレクト級が減少傾向で推移している(図1)。
歩留等級別牛肉格付実績は、歩留等級の格付を受けた牛肉全体に占めるY1(最上位等級)の割合が5.3%(同0.5ポイント減)、Y2が33.9%(同0.9ポイント減)、割合が最も多いY3が47.8%(同0.3ポイント増)、Y4が11.2%(同1.1ポイント増)、Y5が1.9%(同0.2ポイント増)となり、上位2等級(Y1、Y2)が減少、下位3等級(Y3、Y4、Y5)が増加した。なお、過去5年間では、いずれの等級もおおむね横ばいで推移している(図2)。
2019年度の格付実施率を見ると、若齢肥育牛(去勢牛・未経産牛)の95.6%、経産牛の0.9%が、肉質等級、歩留等級の両方、もしくはいずれかの格付を受けた。また、若齢肥育牛の肉質等級、歩留等級の格付実施率はそれぞれ95.1%、27.2%となった。
(注1)米国では、肉質等級(プライム〜キャナーの8段階)と歩留等級(Y1〜Y5の5段階)の2種類の格付が存在し、USDAの検査官によって実施されている。肉質等級は、成熟度(月齢)や脂肪交雑の度合いで格付され、プライム級を最上位等級としている。歩留等級は、生体重量に対する精肉歩留まりの割合を示しており、Y1を最上位等級(52.3%以上)としている。詳細については「米国における牛肉生産の産業構造〜消費・輸出入の動向まで〜(畜産の情報2016年11月号)」を参照されたい。