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4〜6月期のフィードロット飼養頭数、2期連続で減少(豪州)

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4〜6月期のフィードロット飼養頭数、前回比7.1%減

 豪州フィードロット協会(ALFA)と豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は8月5日、共同で四半期ごとに実施している全国フィードロット飼養頭数調査の結果(2020年4〜6月期)をそれぞれ公表した。これによると、2020年6月末のフィードロット飼養頭数は、101万192頭と前期比7.1%減(前年同期比12.0%減)とかなり減少した。この結果、飼養頭数は、2018年1〜3月期から10期連続で100万頭を上回ったものの、2017年10〜12月期以来の水準に減少した(図1)。なお、2019年10〜12月期には、過去最高となる123万9563頭を記録したが、その後2期連続で合わせて18.5%減少したこととなる。
 豪州では、2018年から東部を中心に干ばつが発生し、牧草や水不足など飼養環境の悪化に伴い、穀物を主体として安定的な肥育ができるフィードロットへ肥育もと牛の仕向けが増加した。しかしながら、2020年1月後半以降、降雨に恵まれ飼養環境が改善し、牧草肥育生産者において牛群再構築に向けた動きへの転換が進んだ結果、肥育もと牛の出荷頭数が減少し、フィードロット飼養頭数の減少につながった。一方、フィードロット収容可能頭数は、143万2989頭(前期比2.5%増)と3期連続で増加した。この結果、フィードロットの稼働率は、前期より7.3ポイント低下し70.5%と2016年7〜9月期以来の低水準となった。
 ALFAによると、今回の調査結果は、南部州を中心に引き続き降雨恵まれたことのほか、今後収穫を迎える冬作物の生産が気候の好転を受け大幅に回復(注)すると見込まれるものの、飼料穀物価格が依然として高水準であること、肥育もと牛価格が高止まりしていることも影響したとしている。
(注)詳細は、海外情報「穀物の生産見通しを発表(豪州)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002737.html)を参照されたい。
図1
 フィードロット飼養頭数を州別にみると、最多のクイーンズランド(QLD)州が、前期比0.8%増とわずかに上回った一方、その他の州では同13.4〜37.8%減少した(表)。MLAによると、QLD州では、2020年4月以降、降雨不足により牧草の生育悪化がみられ、肥育もと牛が市場に出荷された結果、フィードロット飼養頭数がわずかに増加した。それ他の州では、南部州を中心に引き続き降雨に恵まれ飼養環境が良好であることや新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により外食産業の需要が不透明であることから、前期より飼養頭数が大きく減少したとしている。
表

4〜6月期の穀物肥育牛と畜頭数は前期比19.4%減

 2020年4〜6月期の穀物肥育牛と畜頭数は、前期(2020年1〜3月期)から2期連続してフィードロット飼養頭数が減少したことを受け、69万6953頭(前期比19.4%減、前年同期比12.0%減)と過去最高を記録した前期より大幅に減少した(図2)。
図2

4〜6月期の穀物肥育牛輸出量は安定的に推移

 MLAの発表によると、2020年4〜6月期の穀物肥育牛肉輸出量は、7万8076トン(前期比0.6%増、前年同期比2.0%減、船積数量ベース)と前期(2020年1〜3月期)をわずかに上回り、比較的安定的に推移している。輸出先別では、最大の輸出先である日本向けが3万5708トン(同4.5%増)と前回よりやや増加した。また、韓国向けは1万4289トン(同14.0%増)とかなり大きく増加した。
 一方、中国向けは、1万9426トン(同0.9%減)とわずかに減少した。前期は、COVID−19の影響で中国の港湾において物流が停滞した結果、輸入量が大きかった2019年10〜12月期を大幅に下回ったが、4〜6月期は前期と同程度の輸出量となった。
【井田 俊二 令和2年8月21日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 国際調査グループ (担当:井田 俊二)
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