2020年9月末のフィードロット飼養頭数、11期連続で100万頭超(豪州)
豪州フィードロット協会(ALFA)と豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は11月12日、四半期ごとに共同で実施している全国フィードロット飼養頭数調査の結果(2020年7〜9月期)を公表した。これによると、2020年9月末のフィードロット飼養頭数は、前回(2020年6月末)並みの101万320頭(前回比128頭増、前年同期比9.7%減)となった。前回の調査から2四半期連続で前年同期を下回ったものの、2018年3月末以降、11期連続で100万頭を上回った(図1)。 また、フィードロット収容可能頭数は、新型コロナウイルス(COVID-19)による経済状況の不確実さは残されているものの、フィードロット経営が今後の収益確保に確信を持っていることから6月末からわずかではあるが増加し、前年同期比6.2%増、前回比1.1%増の144万9200頭となった。
フィードロット飼養頭数を州別に見ると、飼養頭数の最も多いクイーンズランド州で前回比3.3%減(2万19頭減)と減少したほか、ビクトリア州、南オーストラリア州で減少したものの、ニューサウスウェールズ州で同12.2%増(3万2263頭増)とかなり大きく増加したことなどにより、豪州全体では前回比で128頭の微増となった。
2020年7〜9月の穀物肥育牛と畜頭数は、67万頭(前年同期比14.0%減)とかなり大きく減少した(図2)。これは、2020年2月以降、降雨に恵まれ飼養環境が改善したことで、繁殖経営を中心に牛群再構築への意欲が高まったことなどが背景にあると考えられる。
また、MLAによると、2020年7〜9月期の穀物肥育牛肉の輸出量は、6万8590トン(前年同期比16.0%減)とかなり大きく減少した。
輸出先国別に見ると、COVID-19の影響などから中国を抜いて豪州最大の輸出先となっていた日本向けは、3万438トン(同14.0%減)とかなり大きく減少した。また、韓国向けは、1万4467トン(同4.0%増)とやや増加した。中国向けは、1万2717トン(同36.0%減)と大幅な減少となった。
また、2020年7〜9月期のクイーンズランド州における穀物肥育牛(100日肥育)の平均生産者販売価格は、枝肉1キログラム当たり6.49豪ドル(493円:1豪ドル=76円)と前回から6.0%上昇し、前年同期よりも10.0%上昇した。 肥育もと牛の価格は、牛群再構築を志向する繁殖経営からの需要が高まっていることなどから上昇しているが、MLAは小麦や大麦といった飼料穀物価格が前回からそれぞれ21.0%安、18.0%安と大幅に下落していることから、フィードロットでの収益は確保されているとしている。
【廣田 李花子 令和2年12月8日発】
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